vs.CB ※ジン視点
「ピーーーーッ!!」
咆哮のような電子音を響かせ、赤く光る両目を爛々と輝かせたロボットが、アルヴィスへと突進した。
次の瞬間、鋭い衝撃音が周囲に響き渡る。
アルヴィスは素早く銃を構え、炸裂音と共に弾丸を放つが、ロボットは黒い靄を纏ってその弾丸を弾き飛ばし、怯むことなく間合いを詰めてきた。
「チッ……!」
アルヴィスは魔力を練り、弾丸に炎を纏わせて撃ち込む。
炎弾はロボットの腕を焼き焦がし、鉄臭い匂いと煙が立ち上った。
しかしロボットは倒れない。黒い靄がじゅうじゅうと音を立てて炎をかき消し、再び姿勢を整えて襲いかかる。
「援護します!」
ファムがチャクラムを投げ、鋭い弧を描いた刃がロボットの肩を切り裂いた。
同時にKBが両手を前に突き出し、炎の奔流を叩きつける。
轟音と共に地面が震え、炎に包まれたロボットが一瞬よろめく。
だが。
「ピー……ッ!!ピーーーッ!!」
黒い靄が勢いを増し、まるで意思を持つように蠢いて炎を押し返す。
逆に靄は触れた床を腐食させ、鉄板を軋ませながら煙を上げた。
[ジン!シオンと共に下がって!]
「……っ、」
俺は眠り続けるケアテイカーを背負い直し、ピービー、じいさんと共に退避する。
振り返れば、アルヴィスたちがなおも踏ん張っていた。
チャクラムが弾かれ、ファムが後退。
KBの放つ光弾は靄に呑まれ、掻き消える。
アルヴィスは血を滲ませながらも銃と蹴撃で食らいつき、ロボットの装甲を少しずつ削り取っていく。
「ピーーーッ!仲間返せ!!BB、返せえぇぇ!!」
ロボットの動きは荒々しく、しかし止まらない。
互いに傷だらけで、攻防は激化する一方だった。
[ピー!ピー!激しい呪い!呪い!]
足元で、ピービーが叫ぶ。
ケアテイカーは未だ目覚めない。
正直、戦闘に参加出来ないのがもどかしい。
「…………、」
ちらりと、背中に居るケアテイカーを見る。
……その時。
「……?」
微かだが、ケアテイカーの身体から気配を感じた。
何かまではわからない。胸の奥を震わせるような、不思議な鼓動を感じさせるようなもの。
耳を澄ませば、声にならない囁きが俺の意識を揺さぶった。
「なんだ…?」
その気配を追いかけようと意識を集中する。
すると次の瞬間、頭の中に強烈な眠気が流れ込んできた。
「っ、」
まぶたが急に重くなり、視界が揺れる。
抗おうとするが、足元から力が抜け、世界が遠ざかっていく。
「……くそっ…」
最後に聞こえたのは、ロボットの咆哮と、誰かが俺の名を呼ぶ声だった。
そして俺の意識は、暗闇へと沈んでいった。




