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線の上の冒険者ーSの日記ー  作者: aki.
第6章「機械だらけの宴」
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会いに行く前に ※ジン視点





 かくかくしかじか、あれやこれや。

 ピービーの仲介のおかげで、どうにか誤解は解けた。


「……すまない。完全に俺の勘違いだった」


 敵意を解いたアルヴィスは、申し訳なさそうに眉を下げて俺たちへ頭を下げる。


「謝らんでもよい。何も知らずにこの部屋に入ったわしらにも非はあるからの」

「……ピービーのせいだけどな」

[ごめんなさい]


 ベッドの端に座った俺の膝の上で、ピービーは小さく震えながら目を垂れさせる。

 それを隣に座るシオンは、くすりと笑いながら見守っていた。


[にゃあ]

「あ、うん。そうだね。Bのところに行かなきゃ」


 シロが短く鳴くと、シオンは立ち上がり、俺たちに背を向けて歩き出した。


「? Bのところに行くのか?」

「うん。起きたら来るようにって言われてるから」

「Bって……ケアテイカーとKBが会いに行くって言ってた奴か?」

[B。B。僕たちも会いに行く。Bに会いに行く]


 ピービーがぴょんぴょんと跳ねながら言う。

 そこで跳ねないでくれ、痛いから。


「その……Bというのはどこに居るんじゃ?」

「Bなら研究棟にいるよ」

[けん、きゅうとう……?]

「PBも知ってるだろ。ここから北に行ったドーム型の建物。あれが研究棟だ」

[研究。研究。Bは研究好き。好き。ジン。ジン。研究棟行く。行く]


 ピービーは弾むように跳ね続ける。

 ……だからそこで飛び跳ねるな。


「研究棟に行くなら、俺が案内する。あそこに入るには専用のカードキーが必要だからな」

「カードキー?」

[ジン。カードキー持ってる。ボクが渡した]

「そうなのか?」

「ん?ああ。もしかしてこれか?」


 俺はズボンのポケットからカードキーを取り出して見せた。

 建物の入り口やこの部屋の扉を開けるために使ったやつだ。

 しかしアルヴィスは眉を下げ、首を横に振った。


「それじゃ研究棟には入れない」

[入れないの?なんで?]

「PBも知ってるだろ。カードキーにはランクがある。研究棟に入るためには、少なくともランクA3が必要なんだ」

「ランク……」


 アルヴィスによれば、俺の持つカードキーのランクはB5。

 A3には届かず、研究棟には入れないらしい。


「これは……その、A3ってやつに書き換えたりできないのか?」

「残念だが、それは無理だ」

[研究棟。入れない。Bに会えない。悲しい]


 カードキーのランクの見分け方は簡単だとアルヴィスは説明する。

 カードに描かれた線の数で判別できるらしい。線が一本ならC、二本ならB、三本ならA、線なしならD。そして三本線に金色ならS。


 なるほど、俺のカードは二本線。つまりBだ。


「めんどうな話だが、新しいカードキーを手に入れるしかないな」

[カードキー。どこにあるの?]

「地下の“カードキールーム”に」

「地下があるのか?」

「ああ。この部屋を出て左に行ったところに、地下へ降りるエレベーターがある」

[ジン。ジン。地下に行く。行く]


 ピービーはまたぴょんぴょんと跳ねる。


「なら、次の目的地は地下かの?」

「……そうなるな。案内してくれるか?」

「そのつもりだ。……すぐに行くか?」

[行く。行く。地下。地下。カードキー。カードキー]

「わかった。ついてきてくれ。……あ、シオン。お前はここにいろ。俺が戻るまで部屋から出るな」

「わかってる。大人しくしてるよ」

[カードキー。カードキー]


 ぴょん、と床に飛び降りて、ピービーは廊下へコロコロと転がっていく。

 アルヴィスの案内で俺たちもそれを追い、地下へと続くエレベーターのある場所まで向かった。



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