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線の上の冒険者ーSの日記ー  作者: aki.
幕間・2
68/106

ケアテイカーの手紙






――神様へ。


 お元気にしていらっしゃいますか?

 こうしてまた無事に手紙を書けること、本当にありがたいです。


 今回の旅では「始まりの国」に行ってきました。

 けれども、そこにあったのは、人の気配がまったく消えてしまった街並みでした。建物は崩れ落ち、道も瓦礫で塞がれていて、吹き抜ける風の音だけが残っているような場所でした。

 ここにも人々が暮らしていたはずなのに、その痕跡が「失われたもの」としてしか残っていないのを目にして、なんだか胸が苦しくなりました。


 さらに進んだ城の中で、僕たちは“黒い影の女の子”と出会いました。彼女はどこか楽しそうに笑いながら、けれどもその力は圧倒的で、こちらの攻撃は一切通じず、あっという間に追い詰められてしまいました。

 本音を言うと、あの時は「ここで終わりかもしれない」と思いました。


 ――ですが、その時に助けてくださったのが、以前、手紙にて紹介したKBさんです。

 彼女が割って入り、影の女の子の注意を逸らし、僕たちを導いてくれました。戦うのではなく、ほんの一瞬の隙を作って逃がしてくれたのです。

 あの時の安心感は、言葉にしにくいくらい大きなものでした。神様、どうか神様もKBさんに感謝を届けていただけると嬉しいです。


 そして僕たちは今、その「始まりの国」を後にして、避難先として「機械の国」へ向かっています。そこは魔法の代わりに機械の技術が発達していて、ロボットたちが普通に暮らしている国なのだそうです。

 僕自身、未知の文化に触れられることを楽しみにしていますし、同時に、今のこの状況を変える何かが見つかることを願っています。


 今回の報告は以上です。

 どうかこれからも僕たちを見守ってください。



――ケアテイカー



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