ケアテイカーの手紙
――神様へ。
お元気にしていらっしゃいますか?
こうしてまた無事に手紙を書けること、本当にありがたいです。
今回の旅では「始まりの国」に行ってきました。
けれども、そこにあったのは、人の気配がまったく消えてしまった街並みでした。建物は崩れ落ち、道も瓦礫で塞がれていて、吹き抜ける風の音だけが残っているような場所でした。
ここにも人々が暮らしていたはずなのに、その痕跡が「失われたもの」としてしか残っていないのを目にして、なんだか胸が苦しくなりました。
さらに進んだ城の中で、僕たちは“黒い影の女の子”と出会いました。彼女はどこか楽しそうに笑いながら、けれどもその力は圧倒的で、こちらの攻撃は一切通じず、あっという間に追い詰められてしまいました。
本音を言うと、あの時は「ここで終わりかもしれない」と思いました。
――ですが、その時に助けてくださったのが、以前、手紙にて紹介したKBさんです。
彼女が割って入り、影の女の子の注意を逸らし、僕たちを導いてくれました。戦うのではなく、ほんの一瞬の隙を作って逃がしてくれたのです。
あの時の安心感は、言葉にしにくいくらい大きなものでした。神様、どうか神様もKBさんに感謝を届けていただけると嬉しいです。
そして僕たちは今、その「始まりの国」を後にして、避難先として「機械の国」へ向かっています。そこは魔法の代わりに機械の技術が発達していて、ロボットたちが普通に暮らしている国なのだそうです。
僕自身、未知の文化に触れられることを楽しみにしていますし、同時に、今のこの状況を変える何かが見つかることを願っています。
今回の報告は以上です。
どうかこれからも僕たちを見守ってください。
――ケアテイカー




