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道中学校

「旦那様」

「・・・あの、さっきからいっているんだが『旦那様』という呼び方はやめてくれないか。なにか違和感を感じる」

今川の家までの大通りで今川は歩きながら大正の学生服に身を包んでいる少女に言った。

「で、では何とお呼びしたら良いのでしょう?」

木下は少し困った顔で今川を見あげて言う。

「そうだな」と今川は少し考え、

「『今川先生』と言われることが多いからそれでどうかな?」

少女はコクリと小さく頷いた。

「で,では今川先生,さっきから道の真ん中を走っているあの箱は何なんでしょうか?」

と,木下は小さく走っている車を指で追う。

「あれは車というんだ。今の時代では一家に一台以上あるのが当たり前になっている」

君の時代にもあったのではないのか,と尋ねると木下はあんなに速い車はありませんと目を丸くした。

「君のいた時代は路面電車が道路を走っていただろう。でも,車が主流になってからなくなっていったんだ」

そんなんですか,と木下は納得した。それとともに「さすが欧米じゃ」とつぶやいた。「いやいや」と今川は瞬時に木下の発言を否定する。

「今,日本では知っている車の大半は日本の会社だよ。それどころか日本車は世界中で使われている。車技術は欧米と肩を並べるほどだ」

あまりの驚きの木下は急に止まった。

「え,じゃああれは?」

木下は赤い車を指さした。

「あれも日本の会社だ」

「じゃああれは?」

「あれも会社が違うだけで日本の会社だ」

「あれもあれもあれもか!?」

「全部日本の会社だ」

「おー」と,木下は目を輝かせた。そんな女の子とも知らず,当然のように車は少女の目の前を通っていく。

「ほかにはどんな日本のものが栄えているんですか」

輝いた眼を今川に向けて木下は尋ねた。

「そうだな・・・一番に挙げるとしたら『アニメ』という動く絵の作品が世界中で流行っている。ほかには外国とは違う日本独自の文化である日本食や木造の街並み,神社や寺院,さらには・・・」

今川は木下のほうを向いて,

「君の着ているような袴や着物も外国人,もちろん君がすごいと思っている欧米人にも人気があるんだ」

「え,この服が何で」

「西洋の洋服とは違う美しさがあるというところが人気を集めている」

この服が美しいといわれる時が来るなんてという感じで木下はまじまじと自分の服を見る。

上は赤と白の矢じりの和柄で,下は紺色の袴である。周りの人たちが「かわいい」と小声で話している声が聞こえてくる。変だと思っている人はいない様子である。

ふと,彼女を眺めていると袴についた砂ぼこりに気が付いた。

「木下さん,袴が汚れているようですが」

「あっ,目を覚ましたら道端にいたのでその時に汚れたのかもしてません」

そう言って木下はお尻を両手で掃いた。

その時に今川は違和感に気が付いた。

このあたりに茶色い土や灰がつくような道があっただろうか。

「いや,こんなにも日本が成長しているなんて考えられませんでした。いつまでも日英同盟に頼りっきりかと」

こんなに成長していたら私の時よりも国民は日本のことが好きなんでしょうね,と木下は笑顔で言った。

その言葉に今川は心の底から「はい」とは言い難かった。

こんにちは!春桜 結分です!

久しぶりに書きましたがなかなか楽しい(*'ω'*)

途中でどう話を続けるか悩みましたが何とかつなげることができました。

そして,この本の趣旨が顔を出すことができました。

最近知ったんですが大正時代ってとてつもなく短くいろいろあった時代なんですね。「大正ロマン」とはこの短さにもあったのではないかと思います。

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!

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