03 選択
木々に覆われている石階段に足をかけ、数段登る。
また数段登る。木々が日の光を遮ってくれているから歩きやすい。意気揚々を登っていると途中、看板らしきものを見つけた。しかし字がかすれていて読みにくい。
「なんて書いてあるんだ?
コノ、、ジ、ジ、、、ルトシ、?」
カタカナっぽいもので書かれているのはわかるが意味はわからない。看板を無視してまた数段登る。
14段の階段を登り終え、一息つく。振り返ると街が一望でき、景色がいい。
「綺麗…」
14秒もその景色に見惚れていた。
久しぶりにこんな綺麗な景色を見た。この景色を見ると今まで悩んでいたことがどうでも良く感じてくる。しばらくして我にかえり、後ろの方に目を向けると、そこには古ぼけた神社が建っていた。瓦はところどころ禿げており、屋根に穴が空いていた。鈴緒は細く本坪鈴が取れかかかっている。見た目は悪いけど神社は神社だ。せっかくだしお参りをすることにした。
財布から4円を出し、賽銭箱に入れた。
手を2回叩き、
2回お辞儀をした。
もう1度手を叩き、手を合わせて
9秒間お祈りをした。
「これで大丈夫かな…」
ガシャン…ガシャン…
ギィ…ギィ…