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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

死生観

作者: 私

私は今、だいたい一定のリズムで歩いている。歩いているのは、向かう場所があるから。

向かう理由が今、あるから。


私はいわゆる、「シスコン」というものなのだろう。

私は姉を愛している。私が生きる理由はそこにあり、多分、死ぬ理由もそこにある。

私と姉は二人きりで生活している。色々大変なこともあるし、辛いこともたくさんある、生きるのがつらいと思わない日のほうが少ないだろう。だけど今、私は生きてる、そして、姉の元へ帰っている。



「お姉ちゃんただいま。」

「おかえり」

「なにしてたの?」

「ぼーっとしたり・・・・いろいろ考えてたりだよ」

「どんなこと考えてたの?」

「妹ちゃんが今何してるのかなとか」

「なにそれー今日のお姉ちゃんいつにも増してふわふわしてるね。」

「そうかな?・・・・そうなのかもしれない・・・・そうなんだろうなー」

「んははっお姉ちゃんいつもよりかわいいなー」

「ありがと」

「・・・ご飯食べよっか。」

「うん・・・・そうだね」


「いつも通りの味だね、お姉ちゃん。」

「そうだね」

「・・・・・・・お姉ちゃんおなか減ってないの?」「ねぇ」

「なにさー改まっちゃってー」

「妹ちゃんはさ、どうしたい?」


「・・・・私は、お姉ちゃんと一緒がいいな」

「ほんとにそれだけ?」


「私は、お姉ちゃんと一緒が・・・一緒じゃなきゃ、ヤだよ・・・」

「ごめん」「っなんで?なんであやまるのお願いやめ

「私はもう無理」

「なに・・・が?」


「これ以上、生きるのが」



「・・・・・・・そっか・・・そっか良かった、嫌われたんじゃないかと思っちゃった。怖かったよ。じゃあどうするの?」

「死ぬ」

「だよね、私はどうすればいい?」

「一緒に死んで」

「わかった。」

「本当にいいの?」

「何言ってるのさお姉ちゃん、私はお姉ちゃんを愛してるんだよ?お姉ちゃんが死ぬなら私も死ぬよ。」

「・・・・うれしい、ありがとう・・・・私も愛してる」



「・・・本当?」

「本当、愛してる」

「・・・今日はいい日ってやつなんだね、うれしい。」

「泣いてるの?」

「感涙してるの。」

「ん? よかった」

「お姉ちゃん感涙の意味わかってないでしょ!」

「んへへ、ばれちゃった・・・・でも、ほんとよかった」

「んー?」

「終わる前に、二人とも幸せになれて、」

「そうだね、よかった。」



「そろそろ行こうか。」

「そうだね」


「あぁ、幸せだ、お姉ちゃんがこんなに近くにいる。」

「私も嬉しいよ」



「じゃあいくよ、さん・・にー・・いち・・ぜろ―――



―――――――あぁ、今、終わるのだろう

どうせ来世なんてない、姉妹で一緒にはもういられない

世界は優しくないのだから。

でも、もう十分なんだ

一緒に居れて幸せだった。

嬉しかった

もう、十分。


あぁ、狂いそうに愛おしい。

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