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強行犯特別捜査班 2  作者: 村雨海香
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イジメ捜査 5 

 朝、二年二組のHRでの話の内容はあまりのものだった。

「みんないい、今日から新しくくる教育実習の先生は刑事よ。このことは、他のクラスの子にばらしてはいけない。そして並木の事も言しちゃいけない。彼女は他の学校の女なんだから。

 キャリアの警視正の兄を持つ女のやることは最悪だった。


 学校中の生徒が集まった体育館。全校480人弱の生徒が入った体育館はとても広かった。生徒は静かに座り待機していた。校長が檀上に上がり、安積達を招いた。

「皆さん教育実習を行う事になった安積先生と槙野先生です。安積先生はお子さんを大学までおくり、先生に復帰するのになれるため、槙野先生は教育実習生としてこの学校に二週間います。では、自己紹介をお願いします。」

「この度教師に復帰するためこの学校で練習することになった安積です。私少し名前が特殊でミツキって言うんです。お願いします。」

 安積は微笑むように笑い槙野にマイクをわたした。

「私はこれから教師になるため勉強させていただく、槙野です。実は私も名前が特殊でヒロキと言います。初めて同じような人と勉強ができると思うと少しうれしいです。もちろん皆さんと楽しく勉強できることを待ってます。二週間お願いします。」

 少しでも疑われないわざとこんな話をした。紹介が終わると、二人は檀上を降り、教室に案内された。生徒達もぞろぞろと帰って行った。


 教室に戻ってくると、すぐ授業が始まろうとしていた。

 安積は社会科の先生、槙野は理科の先生に扮した。安積は公民のため他のクラスにも回らないといけないため、クラスにいる時間が短かった。槙野は二宮と同じ理科かつHR担任をまかされクラスにいる時間が長かった。

 槙野はHR担任のため、出席の確認をした。

「今日の欠席者二名は誰かな。」

「野村智也君です。」

 一人の生徒が答えた。しかし並木イチカの名前は出なかった。槙野は問いてみた。

「もう一つ机空いてるけど、誰かな。」

 クラスは一瞬静かになったが、一人の生徒が答えた。

「え・・・・、あの子学校辞めちゃったんです。だから欠席とかではないので。」

並木イチカは学校を辞めた事になっていた。HRが終わり授業へと入って行った。得にその日は何もなく、一日が終った。明日二人とも授業が有るため鎌をかける約束をした。


 結城と中野は並木賢二の取り調べを行っていた。昼から始めた取り調べも夕方に差し掛かろうとしていた。ずっと黙秘をしていた並木賢二が口を開いた。

「全てあの男のせいだ。」

 取り調べの結城も、記録の中野も近づき話を聞いた。

「どういうことですか。」

「あの男がイチカをイジメさえしなければ、俺はここにいない。俺はそれが気に食わず仕事に集中できなかった。そのため会社は潰れ酒浸りの生活、DVだのやった。」

「その男と言うのは、。」

「名前は知らん。イチカはあの男としか言わなかった。一つだけ話したのは、その父親が心療内科医の一人らしい。とても優しくなんでも受け止めてくれると言っていた。ある日行ったら二人が話しているのが見えて、父親と子の関係とわかったと言っていたんだ。」

「その事務所があるのは何処ですか。」

「渋谷二丁目のビルです。」

「そこへいつ頃行っていたかご存知で。」

「週に二回程、学校帰りに寄っていたと聞いてます。もう一度あの娘に父さんて呼んでもらいたいな。」

 そう言うと何も話さなくなった。結城と中野は最高の答が出たと核心した。


 竹内と永尾は並木イチカが自殺したとみられるビルに向かっていた。

「ねえハル、どう思うこの事件。」

 永尾は竹内に問いかけた。

「うーん、まず私はこの事件自殺じゃなくて殺人だと思ってる。それで、学校の先生はこのことを隠蔽して逮捕者を出さないようにしている。あの二宮先生って二宮ハルト捜査二課課長でしょ、キャリアで結構上からも支持されてる見たい。だから多少問題起こしても上が揉み消してるとか噂立ってるのよね。で、あの遺書は多分イチカさんを殺した犯人が偽装工作で作ったものだと思うんだ。」

 永尾は竹内の考えを黙って聞いていた。竹内は誰も思いつかないようなことを、思いつくのだ。

「で、もしかしてなんだけど、イチカさん昨日から監禁されてたのじゃないかな。じゃないとあんな朝早くに入れないんじゃないかな。」

「そうかもしれないわね。」

 そう答えると、永尾の携帯が鳴った。

「はい、永尾です。結城さんどうかしましたか。」

『取り調べでわかったんだけど、渋谷二丁目のビルの相談事務所はイチカさんをイジメていた少年の父親がやっていたそうなの。イチカさんもそこで相談を聞いてもらっていたみたい。』

「ハルが言ってましたけど、その事務所って予約制て聞いてますけど。」

『それが、調べてみると会員制と予約制と二つあるみたいなのよ。』

「じゃあイチカさんはその会員制の方に入っていて、その日が予定日だったて事ですか。」

『その可能性が高いと思う。』

「わかりました。一度イチカさんの母親に話しを聞いてみます。」

 永尾は電話を切った。

「結城さんからなんだったの。」

「今からイチカさんの家に行きましょ。確認しないといけない事があるの。」

「イチカさんの相談日の確認、よね。」

「話しが早いはハル。」

 並木イチカの家に伺い、母親の並木ルカにもう一度話しを聞いた。

「イチカの相談日ですか。確か火曜日木曜日でした。時々それ以外の日に出かけて行く日もありました。あの日イチカは、帰って来なかったんです。夜になっても朝まで待っても帰って来なかったんです。」

「わかりました。また何かあればお伺いします。ご協力ありがとうございました。では失礼します。」

 永尾と竹内は部屋を出た。

「もう一度あの子に母さんって呼んでもらいたいは。」

 並木ルカは二人が出て行き際に小さく呟いた。


 永尾と竹内が署に戻って来ると、既に安積と槙野は戻ってきていた。

「お疲れ様です、ハンチョウ。」

「お疲れ、ヒーちゃん。」

 挨拶を交わし、会議室で今日の報告をした。まず、安積と槙野が学校の様子を報告した。

「まずーー高校での並木さんは、学校を辞めている事になってたは。」

「辞めてるですか。でもなんで。」

「答えるときにやたらと時間が空いたの。多分ニュースで出たから隠したんだと思うもの。」

「教卓の上には座席表はなく、日誌にも名前がありませんでした。おそらく作り替えたのと廃棄したんだと思います。」

「イチカさんの存在を消したというわけですね。」

「その可能性が高いの、だから明日ヒロと鎌をかけてみようと思ってるの。」

「明日ですか。」

「そう、明日ヒロの理科、私の社会の授業があるの。そのときに話そうかなって。秋の方はどうだった。」

 結城と中野は並木賢治の取り調べの報告をした。

「並木賢治は黙秘を貫いていましたが、あの男が悪いと口にしました。」

「あの男。」

「その男がイチカさんをイジメていたそうです。名前は話しておらずあの男としか言わなかったそうです。その男の父親はイチカさんの通っていた相談事務所の設立者でした。その相談事務所は渋谷二丁目のビル、つまりイチカさんの殺害された現場です。」

「いつ通っていたかわかったの。」

「それはハルとナツが聞いてきています。」

 結城は竹内と永尾に話の種を渡した。

「ナツと並木ルカさんに話しを聞くと、イチカさんの相談日は、火曜日と木曜日の放課後でした。しかしそれ以外の日にも何度か出向いていたそうです。」

「事件発生日は水曜日の朝、監禁されていた可能性があるわね。」

「ハンチョウの読み通り、イチカさんは火曜日帰って来なかったそうです。」

「これですべて繋がったわ。」

 班員のみんなが一斉に安積を見た。

「イチカさんの歯にあった糸、胃は空っぽ、鞄の中身は火曜日のまま。」

 村雨がはっとした。

「糸は猿ぐつわの糸屑、胃が空っぽなのは何も食べていないから。そして家に帰っていないから火曜日の用意のままって事ですね。」

 安積は頷いた。

「それじゃあ、その男を重要参考人として引っ張れば良いのですね。」

 桜井が言った。

「それにはまだ早いは桜。まだイジメていた本人に会っていないからね。まって、桜その心療内科医の名前は。」

「えっと、『野村心療内科』です。」

 安積は片方の口角を上げ言った。

「犯人逮捕も時間の問題よ。」


 その日は永尾と中野が当直に当たっていた。

「明日は金曜日、何が仕掛けられるかわかりませんね。」

「どういう事、イッちゃん。」

「みんな週末を前に浮かれているから自分を制御できなくなるんです。学校での喧嘩、事故はだいたい金曜日に多いんです。」

「ハンチョウやヒロが巻き込まれなければ良いけど。」


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