表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の季節に君を想う  作者: シズマ
桜の季節に君を想う ~2月26日~
7/29

疑問と疑念#02

「ん~、少し休憩する?」


「…頼む」


 質問に対しての正しい回答ではなかったが、暗に伝えたいことは理解した。。


 休憩をしたら再開するのだろう。


 いくら体力があったとしても、この状態じゃ長くは持たない。


 近場の喫茶店で少し休憩をとったものの、時間が惜しいという理由ですぐに再開された。


 先ほどと変わらず、次々と品物が追加されていく。


 すでに腕は限界を迎え、歩くのですら精一杯だ。


 両手に沢山荷物を持ち続けている所為か、腕に力が入らなくなってきている。


 このままでは、荷物を落としかねない。


「ほら、頑張れ~」


「お前も少しぐらい持ったらどうだ?」


「女の子に重たい荷物を持たせないの」


「わがままいうなよ、だいたい…」


 喋り終わる前に聞き覚えのある声が聞こえた。


「桜が咲いたらお別れ…」


 咄嗟に声のしたほうを振り返る。


 しかし、そこには誰もいない。


 いや、人混みで見つけることが出来ない。


「どうしたの?」


「…いや」


 過ぎ去る人を眺める。


 確かにあの言葉は、夢で聞いた言葉と同じ。


 何故?


「なんでもない」


「…変なの」


 夢と関係があるのか。


 それとも何かの言葉と聞き間違えたのか。


 もし聞き間違えでないのであれば、どうして言葉を伝えてくるのか。


 桜が咲いたらお別れ。


 一体どういう意味があるというのか。


 様々な思考を巡らせる。


「…偶然、だよな?」


 一言小さく零す。


 深く考える事はない。


 偶然。


 ただそれだけのこと。


 たまたま同じ言葉を聞いただけ。


 または、聞き間違え。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ