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疑問と疑念#01
「ついたー!」
「っで、目的の品は?」
「この紙にばっちり」
一枚の紙を取り出し、渡してくる。
それに目を通す。
「……」
言葉を失う。
メモ紙程度の大きさに紙に、所狭しと書き込まれている。
メモなしで買い物をした場合、間違いなく買い漏れが発生するだろう。
「こんなに必要なのか?」
「買える時に買う、それがショッピングの鉄則」
初めて聞く鉄則。
そんな決まりが有ることすら、初めて知った。
そして今からこの量の荷物持ちとして、扱われることに絶望を感じる。
「ほら行くよ」
「はいはい」
ここで断っても無駄なことはわかっている。
諦めて返事をし。街中を歩き出す。
芳野は目当ての店に入り、次々と購入していく。
財布と相談。
そんな言葉は、一切ないようだ。
手当たり次第に購入をする。
それに比例をして、増えていく荷物。
しばらくすると、河野の手には大量の荷物。
もうドアをあけることも出来ない。
「さて、次はこっち」
「まだ買うのか…?」
呆れながら質問をする。
正直、これ以上の荷物は持ちたくない。




