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それぞれの変化#04
「朝どうしたんだよ?」
「……」
朝のことについて質問をする。
授業の休み時間に聞けばよかったのだが、休み時間には芳野は姿を消す。
探しても見当たらない。
そして、授業に遅れて入ってくる。
その繰り返しだった。
「なにかあったのか?」
「ごめんね」
「え?」
突然の謝罪。
謝られる理由が見当たらない。
「ばいばい」
芳野は逃げるように、河野から立ち去る。
「待てって!」
それを引き止める河野。
立ち止まる芳野。
「俺に言えないことなのか?」
「……」
何も喋らない。
喋りたくない。
そんな感じ。
「…わかった。行けよ」
芳野は逃げるように教室を出ていく。
「何なんだよ…」
河野は適当な席に腰を下ろす。
そして考え込む。
何故話さないのか?
芳野と木之本。
二人の今日の様子。
似ている。
木之本は話してくれたが、何かおかしい。
「…帰ろう」
重たい腰を上げ、学校を後にする。
今日は気分が良くない。
気になることが多すぎる。
家に帰り着くと、すぐに横になる。
そして、目を瞑る。
「疲れた…」
気付いた頃には眠りに就いていた。




