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桜の季節に君を想う  作者: シズマ
桜の季節に君を想う ~2月27日~
14/29

木之下 光#03

 軽く話を流されてしまう。


 必死に弁解しようと思った河野が馬鹿らしい。


 木之本はこういう奴だ。


 前から分かっていた。


 なのに過剰に反応してしまった。


「それで話を戻すが」


「くだらない話じゃないよな?」


 念を押す。


 くだらない話なら聞く必要はない。


 むしろ、時間の無駄だ。


「まぁ、聞いてから判断してくれ」


「うん」


「その少女と出逢ったのは、つい最近」


 木之本は話し出す。


 自分が出逢った少女について。


 それに耳を傾ける二人。


「まず、その少女の服装だが…」


 しっかりと、確実に。


 一字一句間違えないように、二人に伝える。


 普通に聞いている分には、おかしいところは何もない。


 何が不思議なのかも分からない。


 しかし、夢の少女と照らし合わせると、どうだろうか?


 木之本が話す少女の話。


 似ている。


 夢の中の少女と。


 白いワンピース姿。


 冬場だというのに、季節感のない服装。


「そして、少女が言ったんだ。」


 河野は、その言葉に反応する。


 もしかするなら…。


 そんな期待を持ちながら。


「貴方の大切な人は、桜が咲いたらお別れ」


「それってどういう…」


「!?」


 河野は思わず立ち上がる。


 その反動で、椅子が倒れる。


 視線が河野に集中する。


 河野は、椅子を立て座りなおす。


「どうした?」


「凄く驚いてたけど…」


「いや…、何でもない」


 なんでも無いはずがない。


 桜が咲いたらお別れ。


 その言葉に反応してしまった。


 自分でも驚くぐらいに、反応を見せてしまった。


「そこで、俺は訪ねたんだ。」


「何を?」


「その、『大切な人』の事だ。」


 河野はしっかりと聞く。


 木之本の言葉に、全てが隠されている。


 少女の謎も。


 桜が咲いたら別れる理由も。


 そう思うから。

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