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桜の季節に君を想う  作者: シズマ
桜の季節に君を想う ~2月27日~
13/29

木之下 光#02

「それは確かに、俺が邪魔をするのはいけないな」


「理解したか?」


「夫婦だけの会話だ、仕方ないだろう」


「そろそろ、ツッコミしたほうがいいのかな?」


「出来るなら、そうしてくれ」


「だな」


 この会話も朝の光景としては見慣れたものだ。


「っで、何かあるのか?」


「よくぞ聞いてくれた」


「あ、悪い」


「聞かないことにしとくね」


 木之本の話はろくな事がない。


 特に自信をもって話すときはたいてい面白くない。


 これまでも何度か話を聞いたが、そのすべてが面白くもない話だった。


 聞くだけ損。


 時間の無駄だ。


「実はな」


「結局喋るのかよ」


「まぁ、わかっていたけどね」


 木之本は、自分が面白いと思ったことを話す。


 そういう性格の持ち主だ。


 同じ価値観を共有したいのだろう。


 二人は静かに耳を傾ける。


 どうせ話はほとんど受け流す方向性だが。


「この前、不思議な少女とあったのだ」


「!?」


「少女? 光ってロリコン?」


 俺は少女という言葉に反応してしまった。


 ただ二人にはバレてはいないようだ。


 夢の中で出てきた少女。


 もしかしたら…。


 そんな期待を寄せる。


「俺はロリコンではない。むしろ、興味を示した河野が怪しい。」


「隆之…まさか…。」


 バレていたようだ。


 河野は必死に弁解をしようとするが、逆に怪しさが際立つ。


「まぁ、そんなことはどうでもいい」

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