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日常#01
「桜が咲いたらお別れ」
またこの夢だ。
昨日と同じ夢。
河野と謎の少女。
「何処なの…?」
だが今回は少し違う。
もう一人いる。
顔が見えないが声で女性なのはわかる。
誰だろうか?
声は聞いたことがある。
それも、昔から知ってる。
「全ては夢物語」
「何処に行ったの?」
「……」
何かを伝える少女とは異なり、もう一人の女性は泣いているようだ。
年は河野と変わらない。
そんな感じだ。
「寂しい?」
少女は女性に声をかける。
「ずっと好きだった」
「そう」
「ようやく想いも伝えることが出来たのに…」
「でも、彼はもういない」
彼。
誰の事だろうか?
泣いている女性を見るなら、とても大切な人だったのだろう。
「全ては、桜」
「もう… 会えないの?」
「わからない」
話の内容がよく分からない。
何故、女性が泣いていて。
少女と会話をしているのか。




