59話
‘あぁ、でもせっかくここまで来てもらったのに、すぐにさようならでは味気ない。
ここで一つゲームをしないかい?まぁ拒否権なんてものはそもそも用意されていないんだけど。’
いまだに“さようなら”というのがどちらの意味なのかは分からないまま。
ゲーム……
この、ゲームの世界(多分)でゲームか……
なんか変な感じだなぁ。
そういえばさっきのすごろくみたいなやつもゲームといえばゲームだ。
テーブルゲーム。
テーブルなんて無かったけど。
まぁそれはいいとして、ゲームったって一体なんのゲームなんだろう?
一人でも出来るやつかなぁ?
さっきも散々ぼっちって言ってたし、そのくらいの配慮はあるだろう。
‘ルールは簡単だ。この部屋のどこかにある何かを探してもらう。
それを見つけることができたのなら私の負けだ。しかし、もし、見つけることができなかった場合……私の勝ちだ。
その時にはきっと恐ろしいことが君の身に起こるだろう。
では、ゲームスタートだ。健闘を祈るよ。’
ざっくりしすぎだろ!
どこかの何かってなんだ!
分かるかぁっ!
ツッコミどころの多すぎるゲーム説明に思わずつっこんでしまう。
ゲームの説明ってこんなにざっくりしてるのかぁ?
7並べを“カードを並べるやつです”って言うくらいざっくりだぞ。
ていうか7っていう数字があるからまだこっちの方が分かりやすいわ!
……いや、分かりやすい…か?
ヒント!ヒントはいねぇかぁ!
つい悪い子を探す風に叫んでしまう。
‘とは言っても、これだけじゃゲームとして成り立っていないみたいだし、これを追加しておこう’
おぉ、やっぱり説明が不十分だってことが分かってたか。
それなら最初からそうしてれば……
‘ゲーム中は目隠しで。’
そっちじゃねぇぇぇぇーー!
なんで制約増やしてんだよ!
説明を補足しろよ!
なんで補則してんだよ!
あ、今ちょっとうまいことを言えたような。
って、違うだろ!違うだろ!そうじゃないだろこの石ぃぃーーー!
………取り乱してしまい申し訳ありませんでした。




