46話
この部屋の奥にはやっぱり宝箱があった。
槍で攻撃しても壊れない。
これは普通に開けるしかないかな?
注意して開けてみると、中には1枚の紙だけが入っていた。
またはずれとか書いてあるのかと思ったけど、一応見てみる。
そこには、
‘この箱の中に頭の悪い者には見えない最強の鎧を入れている’
と書いてあった。
……
い、いやぁ実はさっきからこの鎧が気になってたんだよなぁ。
じ、実にいい鎧だなぁ。
こんな鎧をきてみたかったんだよなぁ。
………ってなるかっ。
どう見ても紙しか入ってない。
僕がバカだからか?
そんなわけあるか!
だいたいなんで頭がいいか悪いかで見えるか見えないかが変わるか!
はぁ、バカバカしい。
そう思って紙を破り捨てようとした。
しかし、
あれ?破れない。
試しに火で燃やしてみる。
燃えない。
むしろ火を吸収しているような……
なんだこれ?
今までの紙は普通に破れていた。
なんでこれだけこんなに丈夫なんだ?
………
⁉︎、まさか!
紙を腕に近づけてみる。
すると、紙は瞬く間に変形し、腕を覆う鎧になった。
こ、こういうことだったのか!
たしかに宝箱の中にはこの紙しか入っていなかった。
でも、たしかに最強の鎧はあった。
この紙こそが鎧だったんだ。




