2話
疲れ果てて地面に倒れ込んだ。
これでドラゴンに追いつかれたらもう命は諦めるしかないのかも。
そう思って周りや上を見てもドラゴンはいなかった。
植物ばかりだ。
走ってるうちに森に入っていたようだ。
まぁ、どうやら無事逃げ切れたらしい。
「あーーー、死ぬかと思った」
息を切らしながら、あまり大きな声を出さないように、
(というか疲れていて出せないんだけど)
かすれたように叫んだ。
ここは地球じゃない。
そう思った。
地球にはあんな生き物はいないと思う。
ドラゴンなんて想像上の生き物だ。
現実にいるはずがない。
ということはここは現実じゃない?
そういえばここら辺にある植物はあんまり見たことがない植物だ。青や紫の変な葉っぱの植物。
でもどこかで見たことがあるような……、
あ、そうだ。たしかゲームのパッケージにこんな植物が書いてあったような。
え⁉︎まさかここはゲームの世界?
なんでそんなことが……
あれ?そういえば僕がしてたのはどんなゲームだっけ?
……ダメだ。思い出せない。
パッケージもボヤッとしか覚えてない。
それこそ変な植物くらい。
でも、今はそんなことを考えている暇はない。
なんせドラゴンがいるんだ。
他にもいろんなモンスターがいるかもしれない。
どうにか生き延びる方法を考えないと。
ゲームの世界にせよなんにせよ、
とりあえず生きることだ。
ここで死んだらどうなるか分からないけど、
とりあえず生きよう。
生きて、元の世界に帰ろう。
ツバサは強く決意した。




