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私のわがままな自己主張2(プロット)  作者: とみQ
終章 エピローグ そして
58/58

椎名めぐみの場合

「でね!明日は電車の中で、混み合ってるのをいいことに、君島くんと密着しちゃうわけ!」


「え!?それってはしたなくないかなっ!?やっぱりいつも通り女性専用車両に乗るべきなんじゃ!?」


ここは美奈の部屋。

私たちは勉強会と言う名の、女子会にて、明日の君島くんと美奈の恋人になって、初登校の際の作戦を立てていた。

まあ私が君島くんをわたわたさせる方法を一方的に伝授しているだけなんだけれど。


「一緒に登校しといて別車両はおかしいでしょ!しかも一駅程度なんだから、長い時間でもないし。ちゃんとムギュッと押しつけるのよ!」


「う・・・あ・・・。」


美奈は想像を膨らませているのか顔を真っ赤にしてノートに視線を落としている。

やがて思い出したようにハッとなって私の方を向いた。


「め、めぐみちゃん!せっかく夏休みの宿題してたのに、どうしてこんな話になってるの!?」


「あら。バレた!?だって美奈ってば、反応がいつも可愛いらしいんだもん。」


「もうっ!からかわないで!じゃあ次の問題を解いてください!私は飲み物を持ってきます!」


「はーい。」


そうして美奈は部屋を出て下の階に下りていった。

私も観念して宿題に取りかかる。

部屋の中はクーラーが効いているとはいえ、起きているだけで汗ばんできそうなくらいだった。

窓の向こうからは蝉の声がする。

9月に入ったとはいえまだまだ残暑が厳しそうだ。


さっき美奈が言ってたんだけれど、今日君島くんと工藤くんの2人は、君島くんの家で夏休みの宿題をやっているらしい。

昨日の時点では工藤くんは何も言っていなかったので、あの後連絡があったんだろう。

私的には4人でもよかったのだけれど、美奈がたまには女の子だけっていうのもいいじゃない?と言うので素直に受け入れることにした。

それに今、また4人で集まるってなると、少し気恥ずかしい気持ちもあるし。


そう。結局私は工藤くんと私の今の関係を、君島くんと美奈の2人に見られるのが恥ずかしいのだ。

いや、別にね。

何があるという訳でもないし、ただの友達同士ということに変わりはないのだけど。


やっぱり・・・ね。


前までは本当にただの友達同士って感じだったけれど、今は少なくともすごく大切な友達同士という関係・・・なのだろうか?


そこまで考えて自分で恥ずかしくなってしまう。


あたしったら何考えてんの!?

バカじゃない!?

ていうかバカはアイツの方なんだから、バカが移ったの!?

そんなの嫌よ!

もう!

変なこと考えるのはよそう。

落ち着け。あたし。


私は首をぶんぶん振り回しながら、目の前の時計が目に留まる。

美奈の誕生日にプレゼントした猫の時計だ。


猫が気だるそうな目でこっちを見ている。


まるで私に語りかけてくるようだ。


『素直じゃないやつだな』


うるさいわね。猫のくせに生意気よ。工藤くんみたい。


『可愛げのない女はモテないぞ?』


別にいいわよ。恋愛は、ちょっと待って。


『待ってだと?待つとはつまり、どういうことだ?』


だってさ。あっちがダメならこっちって、都合良すぎるじゃない。そんなのって、本物の自分の偽りない気持ちって言えるのかな。そもそも私って、本当に人を好きになったことあるのかな?

・・・なんてさ。


『可愛げがないだけでなく、面倒くさいときたか。』


何とでも言いなさいよ。でもさ、私はもう簡単に決めたくないの。やっぱり大事なことだから。時間をかけてゆっくりと、大切に育てたいの。再び芽生えてしまったこの気持ちを。


『その結果後悔することになるかもしれないぞ?』


それはしょうがないよね。

これは私のわがままだもの。

人生山あり谷あり。

悩んだり、苦しんだり、そんな中でちょっとずつ答えを見つけていくんだよ。

ううん。私が今そうしたいの。

中途半端にしたくないから。

ダメかな?


『いや。そこまで言うなら好きにすればいいだろう。結局最後は自分で決めるべきことだ。わしはお前がどうなろうと、痛くも痒くもない。』


うん。そうだね。自分で決めるよ。

まだまだ先は長いんだもん。

色んな事を楽しむよ!私らしくね!


「バカ工藤!」


私は気づけば叫んでしまっていた。

それと同じか少し遅れたくらいのタイミングで、美奈が麦茶を持って戻ってきて、ドアがガチャリと開く。


「めぐみちゃん?今何か喋ってた?」


「ううん?何も?」


私は何事もなかったかのように涼しい顔で美奈を迎える。

そんなことはあり得ないことだけれど、さすがにさっきの私の心の会話を美奈に聞かれたりするなんてことがあったら、きっと痛いやつだと思われるんだろう。

私は目の前の麦茶を一気にあおった。思いの外喉がカラカラだったようだ。


「・・・お代わり持ってこようか?」


美奈が目を丸くして訊ねてくる。


「あ!いいのいいの!お構い無く!ちょっとそういう気分というか、とにかくもう喉は渇いてないから!」


「・・・?」


私はもう一度猫の時計に目をやった。


時間はちょうど3時だった。


どうも!作者のとみQです!

私のわがままな自己主張2、これにて完結です!

というか完全に続く・・・て感じの終わり方ですが、煮え切らない感じですみません。

ですが、やはりこのままハッピーエンドとするにはあまりにも虫が良すぎるような気がしてしまって。

まあバッドエンドではないですが。

私がこの2人ならせいぜい友達以上止まりだよなあと感じてしまい、このような結果に。

色々なことがあった2人だから、まだまだお互いに時間が必要なようです。

なので、もしまだお付き合いいただけるなら、このまま3もよろしくお願いいたします!


最近忙しくて改稿作業が思った以上に時間がかかってしまいました。汗

ようやくぼちぼち3を書き始めていきたいと思います。来年からにはなると思いますが。本編の時間がどんどん過去になってゆく・・・。汗

もしお待ちいただけるなら、こんなに嬉しいことはありません。

まだまだ拙い部分も多いので、これからもキャラクター共々成長していきますので生温かく見守っていただきたいです。

それではここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!


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