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私のわがままな自己主張2(プロット)  作者: とみQ
第4章 女の戦い
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終わらぬ問題

「あー。でも、芽以さん?」


「ん?」


私たちは裏口で立ち話もなんだったので、茜ちゃんとの電話を切って、改めて2人で夕闇の中を歩いていた。

小久保駅周辺を散歩するような感じだ。


「結局私たち、和解しましたけど、今、この後がだいぶややこしいです。」


「え?なんで?」


「いや、なんでって・・・陽子さんにどう説明するんですか?」


「そんなの別に仲直りしたって言えばいーっしょ?」


あ、やっぱりそんな感じか。

芽以さんは、今回のことを私が思っているよりもずっと軽く考えているようだ。


「いや、多分それ無理です。」


「無理?」


私は否定したけれど、芽以さんは意味がわからないと言った風だった。


「いいですか、芽以さん。芽以さんは陽子さんに、私が二万円財布から盗んだに違いないから調べてください!みたいなことを言ったんですよね?」


「ん、まあ。陽子さんから聞いたっしょ?」


芽以さんは当然と言った風な感じだった。まあ、私は具体的なことは何も陽子さんからは聞いてはいないのだけれど。そんなことはどうでもよくて、問題なのは陽子さんの狙い。


「んー、まあそんなとこです。そして確認ですけど、芽以さんはこの話は他言しないようにと、あと私に直接言うのは止められていませんでしたか?」


「あー。まあそんなこと言ってたような。てかめぐみ何でそこまでわかんの!?すごくないっ!?」


やっぱりそうだ。まあ陽子さんの私と話す態度で大体わかってはいたのだけれど。


「あの、多分ですけど、陽子さんは私ではなく芽以さんの方を疑ってますよ?」


「え?・・・どういうこと?」


予想通り芽以さんは事の重要さが何もわかっていない。

まあそれが彼女のいいところでもあるんだろうけど。

そういう芽以さんだから、私も彼女を嫌いにはなれないし。


「私も思いましたけど芽以さんやり方が回りくどいんですもん。どう見ても私に罪を背負わせようとしているのが見てとれますし。大体取られたお金の番号控えるってそんな人います?」


「え?だからそこは過去のトラウマから来る対処という事であーしのファインプレーじゃん?」


私は心の中でガクッとずっこけた。


「いや、そんな都合のいいファインプレーないですって。明らかに不自然ですよ。対処なら財布を肌身離さず持つとかロッカーに鍵かけるとか、大金持ち歩かないとかそっちの方が効率的ですよね?大体1、2年の間に2回も内引きに合う人も中々レアですよ?そんなこんなで、多分陽子さんからは芽以さんが嘘をついていると思われてて、私に事実確認した後に、改めて芽以さんに話すつもりだったんじゃないですか?」


「な、なるほどねー・・・。」


芽以さんは視線を空の方へと向ける。


「私、もう陽子さんと話してますから、多分犯人は芽以さんじゃないかってことは確信に変わってますよ。明らかに私が犯人とは思ってなさそうでしたもん。」


「え!?そ、そういうことになってんの!?あ、あーし、ヤバくない!?」


みるみるうちに芽以さんの表情が焦りに変わっていく。


「しかも口止めされといて志穂姉に噂流してるし。」


「!?ちょ、ちょっと!てゆーかめぐみっ!何でわかんの!?あーしの行動!?」


「いやだから、そんなの志穂姉の態度で気づきますって!」


「あ、あー・・・。」


私は苦笑いを漏らしながら芽以さんにツッコミをいれた。


芽以さんからしたら噂を広めて私の職場の居心地を悪くしたかったんだろうけど、そうならないように陽子さんは配慮して口止めしてくれたのに、結局それを裏切って自分の首を絞めてしまったのだ。

噂が広まったら、それが嘘の噂だとバレた時に居心地が悪くなるのは芽以さんになってしまうのに。


まあ志穂姉の件は正直どうとでもなるけど、もしかしたら陽子さんは、今回の件で芽以さんを最悪クビにしかねないとまで私は思っている。

普通に考えると笑えない嫌がらせだと思うし。

だけれどももしそうなってしまったら、さすがに私も芽以さんをそういう気にさせた張本人として、少し罪悪感が湧いてしまう。

そして何よりも、私が芽以さんに辞めてほしくはないと思っているのだ。

嫌がらせをされたとはいえ、やっぱり私は芽以さんのことが好きだし、そんな簡単に好きな人を嫌いにはなれない性格だから。

だから私はどうにかして芽以さんを助けたい。

私は少しだけ瞬巡して答えを出す。


「芽以さん。」


「?」


「今から一緒に、陽子さんに話しに行きましょう?」


そして私は芽以さんにそう提案した。


「え!?そ、そんなのヤバくない!?次のあーしの出勤日までに対策練った方がよくないっ!?」


芽以さんは明らかに焦りまくってビビっている。

あまりごちゃごちゃ言わず、芽以さんと謝りに行くことだけを提案すればよかったと、今更ながらに後悔した。

とにかくこのゴタゴタをなんとかうまく収めなければ。


「芽以さん。次の出勤日だと陽子さんに先手を打たれて嘘をバレさせられて、最悪クビになりますよ?今こっちから行くべきだと思います。今私が陽子さんになって芽以さんの嘘を看破しましょうか?」


「な、な、何よ?嘘をガンバって?もっと頑張って嘘つくっての?」


「え・・・と、看破です!見破るってことです!あー、まあそれはいいです!とにかく今から行きましょう!こういうことは先送りにせず、早くした方がいいです!今なら店に陽子さんとチーフもいて、志穂姉もいるから万事解決です!今だからいーんですっ!芽以さん!」


「え?何?何でいきなりそーなるワケ!?今行ってどーするワケ!?あーしにお仕置きする気!?」


さっきから常に訳がわからないといった風な芽以さん。

明らかにテンパっていて、目が泳ぎまくっている。

事態が急展開すぎるし無理もないだろうけど。


「芽以さん。私もついていくので大丈夫です。とにかくありのままを打ち明ければいいんです!嘘偽りなく!そしてこういう時はしっかりと自分たちの罪を認めて謝罪するのが一番なんです!そしてさらに、もう一回言いますけど、そういうことは早ければ早い方がいいんです!わかってください!」


私はなんでこんな勢いで喋っているのかもはやよくわからなくなってきていたけれど、その圧に推されたのか、やがて芽以さんはゴクリと唾を飲み込んで、


「・・・わ、わかったわよ。」


と渋々頷いてくれた。


「よーしっ!じゃあ行きましょう!」


芽以さんに意思確認をすると、私はすぐさま彼女の手を握りしめて方向転換し、先程までいた牛藤へと足早に歩き出した。

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