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私のわがままな自己主張2(プロット)  作者: とみQ
第3章 動き出した心模様
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朝寝坊

8月26日。


「ん・・・。」


私はあまりの暑さに目を覚ました。

カーテンから漏れる強い光によって、部屋の中が蒸し風呂のような暑さだ。


「あつぅ~い。クーラー入ってるの?」


ごろんと横に1回転して、側にあるリモコンを確認すると、しっかりと電源は入っており、弱風の26度。時計の針は11時を指していたのでさすがにこの時間でこの冷房の強さでは利きが悪いらしい。


・・・ 。


ん?11時?


「・・・!いっけない!」


私はここにきてようやく寝坊したことに気がづいた。

美奈のお誕生会の待ち合わせは12時。間に合わない時間じゃないけどさすがに着の身着のまま出ていくことは体が汗ばんでいることからも少し憚られた。


潔く私は美奈にメールすることにした。


『ごめん!美奈!今起きた!ちょっと遅れちゃう!』


するとすぐに返信がきた。


『大丈夫だよ。気をつけて来てね。』


「あっ!」


それだけ確認して、私は思い出したようにもう一度メールを打つ。


『ごめん美奈。後でも言うけど誕生日おめでとう!』


そして私は急いでシャワーを浴びることにした。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


シャワーを浴びて、着替えを済ませて、私は髪も乾ききっていないままに家を飛び出した。

むせかえるような暑さに当てられて、26度のクーラーでも、十分に部屋を涼ませていたことを実感した。

どうせ遅れてしまうのだから、急ぎすぎてまた汗だくになんてならないように、程々に自転車を走らせる。

それでも駅に着く頃には照りつける太陽が濡れた髪を乾かし、背中を汗が伝うのを止められなかった。

小久保駅に向かう前に私はショッピングモールのケーキ屋さんに来ていた。

モール内の空調が再び私の火照った体を冷やしてくれる。


「イチゴのショートケーキ、このホールのやつ下さい。」


「ありがとうございます。お誕生日ですか?」


「はい。そうです。」


私はせっかくお給料が入ったのだし、プレゼント意外にケーキも買うことを決めていた。

恐らく家でも用意してあるだろうからホールケーキ2個を、私たち4人と美奈のお母さんで食べることになるだろう。

という事で、今日はケーキパーティーだ。

あ、夜になれば、美奈のお父さんも帰ってくると思うので、計5人かな?


「お金お金っと。」


財布を取り出そうとして、私はハッと肝心なことを思い出した。

昨日鞄を洗濯して中身をテーブルに置き、ろくに整理せずに寝てしまったんだった。


お給料袋もそこにあって、さっき出てくるときは、慌てていて財布と携帯と美奈へのプレゼントしか持ってこなかったのだ。


おそらくだけど、お母さんがテーブルの上を整理してくれたのか、先程は鞄の中のものが整えられて置かれていた。それで余計に見落としてしまったのだろう。


というか、お給料日から2日経ってんだからそれの整理くらいしときなよあたしっ!


改めて自分のがさつさを呪う。

財布の中にお金はなかったような・・・。

誕生日プレゼントを買った時に、財布の中身はほとんど空になっていたはず。

所持金は限りなくゼロに近いはずだと記憶している。


念のために財布の中を確認すると、中には二万円が入っていた。

お母さん!もしかしてお給料入といてくれたのかな!ナイス!

私はホッと安堵して店員さんに一万円を支払ってお釣りを受け取った。


最悪お金を家に取りに帰る羽目になるかと思ったけれど、お母さんのファインプレーでケーキを買えた私は颯爽と駅へと向かうのだった。


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