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私のわがままな自己主張2(プロット)  作者: とみQ
第1章 椎名、バイト始めました!
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女子大生

8月18日。


土曜日。


あれからバイキングと洗い物の仕事はすっかり慣れてきた、かな?

お盆も越えたということもあって、緊張感も少しだけ解け始めていた。


今日から工藤くんは部活が再開するとのことで、一緒に出勤することはほとんどなくなりそうだ。

さらに茜ちゃんもお盆は過ぎたからお役御免となったらしい。

せっかく仲良くなったから寂しい気もするけどね。


代わりと言ってはなんだけど、今日からお盆に休んでいた大学生の人達2人が出勤を再開するらしい。


私はいつも通り15分前に出勤すると、そこにはもう今日初めて会う人が制服に着替えていた。


「あ、おはようございます!」


「あ、おはよう。あなたが椎名ちゃんね!私は吉岡志穂よ。よろしく!」


「あ、はい。椎名めぐみです!よろしくお願いします!」


「まだ高校生なんだってね!若くて羨ましいわあー!」


「いや、大学生も十分若いですって!」


「椎名ちゃんは今いくつ?」


「16です。今年17になります。」


「まあっ!じゃあ今私は20才だけど学年では3つ違いね!わかんないことがあったら何でも聞いてね!」


吉岡さんは笑顔が素敵で快活な感じで、凄く取っつきやすそうなお姉さんといった風だった。

髪は茶髪で長く、ウェーブが掛かっていて後ろで1つに束ねていた。ナチュラルメイクでかわいいというよりは美人タイプ。身長は私と同じくらいなので170センチといった感じだろうか。だけれど所作は女性らしく、何だか憧れてしまう。


「わあー!何だか私、吉岡さんみたいなお姉さんが欲しかったかも!」


「ん?じゃあ志穂姉って呼んで?」


そう言って笑顔でピストルを打つように指を指され、ウインクされた。

わあー。わあー。


「はいっ!志穂姉!」


「うむ。よろしい!」


そうして志穂姉はホールへと歩いていった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



そして私も着替えを終えて、厨房に向かおうとした頃。


「やっばい!遅刻だしっ!」


今度はもう一人の大学生の人がバタバタと事務所に入ってきた。

時間は3分前。割とギリギリだ。


「あ、あのー。初めまして!」


「え!?あー!ごめん!後にしてくれる!?あーし急いでるから!」


「あ、はい。」


そう言ってバタバタと着替えを持って更衣室に駆け込んでしまった。


まあタイミングも悪かったし後にしよう。



「ふーっ!セーフ!」


その人はホールに駆け込んでズザザッと滑り込んでセーフのポーズを取っていた。


「何がセーフよ!芽以3分過ぎてるから!」


芽以と呼ばれた人は志穂姉に来るや否やチョップを受ける。


「いたっ!志穂ってばいつも堅すぎっしょ!」


「あなたがだらしないからよ。もう先輩なんだからしっかりしなさい!」


「先輩?あ、そっか。新しい子入ったんだっけ?」


「あのー?」


志穂姉の横に待機していた私はひょっこり顔を覗かせた。


「わっ!?ビックリした!マジで心臓止まるかと思ったっしょ!いつからそこにいたワケ!?」


「いや、最初っから挨拶するつもりで志穂姉の隣にいましたけど。」


「ふーん。ま、いいわ。あーし、田川芽以っての。よろしくー。」


そう言いながら指を2本おっ立ててピッと軽いノリの挨拶をされた。

田川さんは志穂姉とは違ってかなりギャルっぽい人だった。

金髪ロン毛をポニーテールにしてくくっており、ちょっと肌も色黒で、目の回りの付け睫毛やお化粧も濃くて、先程チラッと見た私服もかなり露出の多いものだった。身長は150センチちょっとだろうか、胸もお尻も大きくて、とにかく全体的に派手な印象だった。


「あ、はい。椎名めぐみです。よろしくお願いします!」


私がお辞儀すると、


「え?マジそんな堅っ苦しい挨拶とかいいっしょ!あーしもフツーにするからさ、めぐみもフツーにしてほしいワケ!オッケー?」


「・・・はい!オッケーです。」


私は戸惑いながらも田川さんと同じようなノリで返してみる。


「・・・うん。ま、いっか。よろしくねー。じゃ、しゃーねー。働くとするかねー。」


田川さんは、何となく煮え切らない様子だったけれど、やがて腕をぐるぐる回しながら、ホールの方へと行ってしまった。


これで全員牛藤のメンバーには会えた訳だけど、何だか皆個性的だなーと思った。

学校とは違って、色んな世代の人たちがいるし、距離感みたいなものも様々だ。


ま、みんな悪い人じゃなさそうだし、楽しそうだけどね!


私はウキウキした足取りで、今日もバイキングの準備を始めるのだった。



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