魔王の戦い ──が愛する者を死なせぬために
前作 魔法少女の別魔王視点てきな?
ごめんなさい! 死神編は、まだまだです!
これは今は昔、偽神兵製造計画真っ只中の頃の話。
そこには、豊穣の魔王と呼ばれる黄色く輝く眼と黄緑の髪を持つ少女、薄い紅色の目と髪を持つ少年がひとつの家で中津まじく暮らしていました。
ええ例え少年が少女を無理やり襲ってるように見えても仲良く暮らしていました。
そして今目の前には、床の上で揉み合う2人
「ちょっフレー!! やめ……フレーってば」
そういうもののメメの熱を持ってる吐息
「メメ何をそんなに嫌がることがあるんだい? 僕たちの仲じゃないか! 例え君が元男だとしても気にしないって言ったよね…むしろ燃えるよ。 ふふっ」
「ひぃっ ああああのあのね、思いは嬉しいし私もフレーの事は好きだよ? 愛して……るよ! でもさーでもね! 朝起きて早速押し倒すのはどうかと思うな〜っておも……うんだけど……」
涙で薄く濡れた目で見つめ返すメメ
フレーはメメの薄目のシルクでできた服に手をかけてゆく
「それに思うんだ。 毎日毎日誘ってきてるのは君じゃないか! そんな薄着で何を言うんだい? 肩や腕や背中は丸見えで、足だって下に行くほど透けていく布を服として毎日纏ってる。 というか、それしか着ない君が言うことかな? それとも振りかいメメ」
「これはどんな服きてもこれに変わっちゃうから仕方が無いんですーーーーーー というか知ってますよね! もう100年近く一緒にいるんですよ!」
そんな時に幸か不幸か訪問者が現れてしまった。
ドンドンと扉が激しく叩かれる
「フレー・バルディッシュ殿はご在宅か」
メメは今しかないとフレーの腕の間をすり抜け、扉を開けに行こうとする
「はいはーいいます! 居まっ」
しかしそっれは途中で転び──否、フレーに足を捕まれ転ばされた為に果たせなかったが
「チッそんなやつはこの家にはいない帰れ!!」
メメは後ろから竜も殺せるんじゃないかというプッれシャーを無視して扉を開ける準備をする
「ちょっと帰らしてどうするんですか! 今開けます 植物よ!!」
不思議なことに扉近くから細い蔦がひとりでにニュルニュルっと伸びていって取っ手を回し扉を開けたのだった。
ああ〜熊さ──ゴホンッ牧師のルベンさんいつもベストタイミングで来てくれてありがと〜うと、感謝の念を送っていると
「これはこれは、メリメア嬢いつもありがとうございます。しかし変わりませんな〜バルディッシュ殿は自分で言っては居ると言ってるようなものですぞホッホッホ」
「えーっとお茶用意しますね! 椅子に座って待っててください」
そう言って起き上がり、お茶を用意しに行ったメメを確認して問う
「ルベン……ナニシニキタ」
フレーが怒ってる〜とお茶を用意しつつ死なないでとルベンの生還を願いつつ震えてると──
「逃げて下さい」
「はっ?」
──震えるルベンを無視し何言ってるんだと……勇者である俺に逃げろと言うのかと言外に睨みつける。
ビクンッ!!──後ろからのプレッシャーがすごいよーーフレーもっと押さえてぇ〜
とりあえずお茶の用意ができたけど……えぇ何この雰囲気、怖いし重いし……取り敢えず……よしっ
「……どおぞ」
ルベンさんが会釈すると──
「ありがとうございます」
言葉と同時に流れるようにお茶を手に取り流し込むように飲んでいく。
「ああ……良いお茶でしたメリメア様」
──ドンッ
「当たり前だろ俺のメメが入れたんだ美味しいに決まっている」
あのーフレーぇそう言ってくれるのは嬉しいんだけど──いつの間に私を膝上に乗せたの!? 乗せられた本人が気づけないってどういうこと──やめて頭撫でないで……あぁっダメ……話に集中出来なくなる〰〰〰フレェぁぁー………
「おやすみ……メメ」
それにしても艶やかでこんなに触っててきもちい髪は君だけだよ…メメ
「お二人はいつ見ても仲良く私しとしても嬉しい限りです」
「ふん……そうか……っで逃げろとはなんだ? ここには勇者も魔王もいる訳だが、それでも逃げなくてはならない事態とはなんだ」
「新たな勇者と聖女が3人神託により選定されたと……先程連絡が来ました」
ふむ……こいつが何処からか情報を仕入れてくるのはいつもの事だが……いったいどうやって手に入れてくるのか皆目検討もつかないな、聞いてもはぐらかしてばかりとくる。
「しかし、神託か……神が直々に選んだと? 」
本来は王が名を挙げているものから候補を選び、神が最終的にどうするか決めるはずだが
「滅多にこのようなことは無いのですが、今回は例外みたいですな 魔王を討つためにこの者達の力が必要であると言ったそうで」
「ふん……豊穣をか?」
「ええ、その豊穣をです」
「なぜ今になって! 俺が豊穣のを監視するということにして決着したはずだ。 そもそも人族から敵対さえしなければ、豊穣のが危害を加えたことはなく恵みをもたらしてくれさえする。故に討つ意味なしとして、もし心変わりした時に即座に手を打つため監視をつけるに留める。そう決まったはずだがこれは俺の記憶違いか」
「──いえ、相違ありません。しかしそう決めたのは人族であり神々では無いのです」
「クソ……いつそいつらは来る」
「早ければ3日、遅ければ10日という所でしょうか?」
「はっ? まて……それはまるで、出発したばかりだと言うのか!」
「ええそうですとも! 見直しましたか惚れ直しましたか! バルディッシュ殿!」
「ああルベン今回ばかりは見直したぞ! 惚れてはいないがな! でわさっそく、迎え撃つ準備をしようではな───」
ドッカーーン
「「……え」」
「ふぁ〰〰〰……ふぁい!?」
時は少し戻ってとある3人組──謎の美男2人と美女と言うには幼い少女が1人──真っ白な長剣を持つ者、真っ赤な巨大な槌を持つ者、透明な指揮棒を持つ者がいた。
「あーーーーもうダメーー疲れたー王都からここまでショートカットマジ疲れたんですケド〜」
「ご苦労さまエルディータ。あとは朕達に任せてよ」
「エルっちホントお疲れ様〜 あとはのんびーーりしてて良いよ! どうせあとは、殺るだけだからさ〜──呪え……恵まれた者達に恵まれぬ者の叫びを! 呪塊爆怨 」
詠唱と同時に男の体からドス黒い霧状のものが漂っていき、男の前へと集う。 そしてそれが、人間の頭ほどの大きさの球体になると、槌の石突で空高く打ち上げた。
「潰れろ」
槌を大きく振りかぶり前方の家に向かって黒い球体を打ち込む
聞こえてくるは破砕音。家が悲鳴をあげてるかのように音が響き壁が砕ける。
それと同時に長剣を持つ勇者が一気に加速する。狙うは豊穣の魔王こいつさえ殺せば最低限の任務は完了する。
「朕に貫けないものは無いとしれ! 一希・貫い道架」
眼前には、力を開放せんと何かの植物のツタらしきものに爆発を封じられている先の一手。そして魔王の前に護るように立ちはだかった勇者。監視してる勇者が魔王に誑し込まれたのは本当だったようだ。
あぁあぁなんという恥晒しか!! 勇者の風上におけん!! しかし遅い何たる体たらくか……朕の剣は既に貴様の心の臓を貫いているというのに何処を見てい──
私の目の前から勇者が消えた。勇者を貫かんとした槍より鋭き木の棘柱を残して……いや、聖女の力で転移したのだろうか? 今先方より醜い顔を歪ませ後方に移動している。勿論愛しき人の血を剣に纏わせて! 故にフレーが作ってくれた時間を無駄にしないために、家よりも私の領域の森よりも魔力を大きく大きく大きくしていく。 まずは、フレーを死なせない為に力を振るう。
私は魔王…私は豊穣を司る……魔王……豊穣それは突き詰めれば生命へと至るその力……大河を流れ荒れ狂うような奔流で愛しのフレーを包む。
「癒せ、生命樹の揺り篭!!」
メメの周囲に渦巻いていた苗色の魔力がフレーを中心に球状に覆っていく幾重にも幾重にも、そして変化はすぐに……起こった。
覆っていた魔力がまるで木のように変化していく──産まれるは……床にあたる部分には草が生い茂り周囲には色とりどりの花々が咲く 木でできた巨大な球状の揺り篭
メメは寝床で眠るフレーの手に自分の手を添えると
「フレー待っててね──すぐ……終わるから!」
そう言うと、まるで何も無いかのようにすり抜け出てきたメメ
そして片足が地に着くと同時に空気が変わった。
「樹よ──目覚めろ」
大地より現れたいくつもの巨大な植物が敵を襲う。
勇者は抗おうとするものの決して自体が好転することは無い
何故なら……草は、勇者が歩みを進めようとすれば足に絡みつき、踏み込もうとすれば草が滑り、転けぬよう地に得物を突き立てれば地に飲み込まれていく。
「卑怯だぞ魔王正々堂々戦え! 世界の敵め!!」
「嘘でしょ……そんな僕がなんで……」
「樹よ──潰せ」
そして何も出来ぬ勇者を、動くことも武器を構えることも身を守ることも出来ぬ勇者を──
ただただ地に叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰し叩き潰していく。
聞こえてくるは、骨が砕ける音そして内蔵が潰される音、最後に意味のなしてない止まぬ声
…………
…………………
…………………………
でも勇者は死なない!なんでも立ち上がるのだ!
それはその背中には守る人がいるからか? それは世界を護るためか? それは己が信じる正義のためか? ──否
それは勇者が勇者たらしめるその力がある限り死ぬことは許されないからだ!! どんなに体が壊されようが どんなに心が壊れようが どんなに泣きわめこうが どんなに死にたいと殺してくれと懇願しようが勇者・聖女という加護を与えた神気取りは気にかけない!
なぜなら……それこそを望んでいるのだから兵器としてだけ生きる人形を
故に魔王は生まれた
星で暮らす子は星の子ならば、世界にとっても子の子は我が子も当然故に魔王を生んだのだ……子を守るために、こんな事をした罪深き者共に何をしたのか教えるために
だから私は決して勇者を聖女を認めない
「豊穣の魔王──お願いだからもう……やめて……」
「私がこの場にいなければフレーは死んでた……それほどの傷を負わしたのに? 都合が良すぎない?」
「……お願いします」
「…………はぁ……豊穣よ正しなさい」
私怨の分は終わったし……さっさと終わらせよっか
正直フレーを傷付けたことは許せないけど……フレーの事は私がそばに居ながら傷つけさしちゃった私の落ち度でもあるし……それにもうなんだか興醒めだし……お願いしますってあ〰〰〰もう!!
「えっ力が……なんで……う……ぁ……あああぁく……ぁあーーーいたい痛いやめあああーーー──────」
というか、ちょっとぐらい痛い思いしたらいいと思う! 2人の時間を邪魔したんだから!
「まぁそんな事があったわっけですよ」
あーお茶が美味しい〜
「なるほど私どもが寝てる間にそんな事が……あっこのお菓子美味しいですね!」
「なぁメメなんかその話最後あっさりしすぎじゃないか」
「え……いやーきのせいじゃないかなーー」
「そう言えば王都の壁が突如現れた巨大な魔物との戦闘で文字通り半壊したとか」
「へぇ〜巨大な魔物ね〜不思議だねメメもそう思わないかい? 一体どこから現れたんだろうね? メメは知ってるんじゃなかな」
ちょっ顎クイしないで!! ちょ……だめ……そんなに見つめられたら……恥ずかしい……ょ……
そのなんか……顔も近づいてきて………ぁぁぁ……
「あーお菓子が美味しいですなー」
私がいることも思い出してほしいですな……ハハハ……
「というかだなメメさっきから後ろにいるメイドと執事は……なんだ」
「えっ? 雇った!」
「……その3人て」
「言っとくが朕は勇者ではないよ!」
「僕はしがない執事です!ねぇこの服似合う?(ドヤー)」
「少し前まで聖女やってたりしませんでしたよ! (アセアセ)」
「……お前ら隠す気ねぇだろ」
こうしていつもの日常にちょっぴり刺激をたした日常を送っていくのです!