シンデレラは突っ込み疲れする
暇をもて余した赤子ことシンディちゃんです。
ふう、最近やっと寝返りができるようになった。速くハイハイしたいけど道のりが長い・・・・
産まれた最初は目が良く見えなかったが、この頃色彩が判別できるようになった。
父の顔は絶世の麗人?中性的な顔立ちだ。髪は銀髪に目の色は濃い緑だ。
母の顔は儚げな美人だ。絶世の美女だ。
金髪に目の色は濃い明るめの青だ。
母が憂い顔何かされると父がウザい。父が母に構いたがる。子はかすがい母が何だかんだ嬉しそうだから我慢しよう。
最近母が洋裁に凝っている、私の服をなん着も作っている。
ハイハイできるようになったらお出かけするんだって楽しみだ。
ハイハイできるようになったら王宮で御披露目する予定だ。
御披露目で着る服を皆で選んでいるが・・・・
母は新しく作っては私に着せて父や祖父母に御披露目する皆が上手可愛すぎると誉めるからまた新しく作るの繰り返しだ。
もっと私を誉めるが良いとご機嫌になるから付き合ってあげよう。
母方の祖父母と叔父夫妻と従兄がいるんだって。
先の王弟殿下が祖父で叔父は母の兄だ。私の中で父方は祖父と祖母で固定してるから母方はお爺様お婆様で固定しよう。
従兄と速く遊びたい。信用できる同年代はとても貴重だ。
ファッションショーをやっていたら、ドタバタと使用人達の制止の声が聞こえる。
何だろう?
父、母、祖父母がドアを睨み付ける。
バターンっとドアを開け分家のおっさん達が息子同伴でやって来た。
とりあえず泣きましょう。「ウギャーギギャーギャー」
『あらら、分家の方達はお風呂に入って来て貰うか。直ぐに帰って貰えるかしら?』
母が私を抱き締めあやしますが母のこめかみにが見えそうです。母怖ー。
『以前、まだ産まれて日がたってない時にこの様に分家の人間が押し掛けて来て、甲高いヒステリックな声でびっくりしてしまってな。おまけに、香水臭くて娘の具合が悪くなったんです。以来、娘は突然の来客は香水臭くて怖い人と怯えて泣くようになったんですよ』
ニコニコ笑っているが目が笑って無いよ父。てか、嫌味だよねぇ。
分家の人間達も小さくなってる、同伴の息子達は私の婿候補か?
年が離れすぎて無いか?
だって、私赤子。5才までなら許容範囲だけど、最低年齢2才~最高年齢30才って幅が広すぎだろ?
30才年上の夫は死んでも嫌だよ。
分家の人間よ欲の皮張りすぎ。『ええと、申し訳ありません。姫様に息子の顔を覚えて頂きたくまいりました』
と、しどろもどろに分家のおっさんよ。赤子に顔を覚えて貰うの無理じゃない?
『あら、赤ちゃんに顔を覚えて貰うの無理じゃないかしら?』
と母が可愛らしく首を傾げた。『幼いうちから側仕えとしてお側にお仕えできないかと』
分家の人間達は揉み手をしながら戯けた事を言い出した。
幼いうちから洗脳しようと言う腹積もりか。
『娘は王家から婚姻の申し出がある為、男の側仕えは無理だ。女の側仕えでもユニコーンの制約の儀式を受けて貰う』
父よユニコーンの制約って何?
ユニコーンって乙女の膝で眠るお話しだよね?
『シンディちゃん昔々大地母神ガイア様と天空神ゼウス様の娘の大地母神サロメ様が父親の浮気性に嫌悪して男嫌いでしたの。ユニコーンのヨカナーン様ががサロメ様に一目惚れして求婚したの。サロメ様は浮気しないと制約の儀式をしたのですわ。浮気したら一物が腐るのよ。ヨカナーン様は馬の神になって、多産も司るのよ』
母よ浮気したら一物が腐るって呪いじゃあないか!
『シンディ、サロメ様とヨカナーン様の娘のサリアナ様が偶々地上で兄弟と遊んでいる時に我が国のその当時の王太子が一目惚れして浚ってユニコーンの制約を受ける事を条件に結婚したんだよ。ユニコーンの制約は処女と童貞でないとできないんだよ』
父よ遠回しに分家の人間達が処女か童貞かと皮肉ってないか?
『シンディちゃんのお婿さんにもユニコーンの制約を受けて貰うからねぇ。例え王太子だろうと』
母よユニコーンの制約を受けるのが最低限の婿の条件って、そりゃ王太子は赤ちゃんだから大丈夫だろうけど。
結構直球な嫌味だよねぇ。個々にいる分家の人間達は半分以上が脱落だね。
『シンディの側仕えには王宮や神殿が側仕えを選抜している。側仕えになるならそれ相応の実力がないと。コネは仕えない。騎士団も護衛を選抜しているから男の側仕えは不要だ』
父、シンディちゃんって赤子なのに王太子妃の待遇じゃない?
『もちろん、私が宰相として文官も選抜中だ』
何よ父、王宮や神殿や騎士団に文官にそれ以外も選抜してるでしょ。
魔導師や医師団とか!
側仕えでなく未来の側近かぁ・・・・
分家の人間達はすごすごと帰っていった。
分家の人間達よ滅亡したくなければ欲も程々にしとけよ・・・・
邪魔な人間が退散したのでファッションショーは再開された。
泣いた後なのでテンションが上がらなかった・・・・