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シンデレラ誕生

私はシンデレラとしてこの世界に産まれた。

最初に目に写したのは麗しい泣き顔の父だった。

『ああ、壊しそうで怖い』

「フギャッギャギャウギァ!!(抱き方がぎこちないぞ!!)」

「ギェーウギァ!!(落とすなよ父!!)」

『ええと、名前名前どっどっどうしよう』

「バッブュウ!!(落ちつけ父!!)」

余りの父の慌てぶりについ私もつられてしまった。

父は私をぎこちなく抱きながらアッチコッチをうろうろ。

使用人も私が落とされないか心配で父の後ろや回りをうろうろ。

ナニコレ?

落ちつかない。

スウーっと息を吸う赤子の私。

「ウギャー(母ー)」

ギャーギャー泣くわ・た・し。

使用人がミルクかと父から私を奪い母のもとにかけていく。

あれ?乳母はいないの?

あ、母ーと母に抱かれ。ナニコレ?父と違った安心感。

母の乳に吸い付く私。

母乳、旨し。

ゴキュゴキュと飲んだらゲップですね。

あ、父が邪魔にならないように部屋の隅に発見!!

手をワキワキしてるけど父にゲップして貰うの嫌だ。

チラッと母を見る私。

母は私を抱え直し恐る恐る私の背中を叩く。

もうちょっと強く叩かないとゲップでないよ母。

使用人に指導されて再度私の背中を叩く母。

「ゲッ、ゲッブ」

あ、ゲップ出たよー母ー。

『私の赤ちゃん。母乳は美味しかった?』

母がニコニコと優しく私に語りかけしてくれる。

「バブ、ウウギャウ(うん、美味しかったよ)」

腹が一杯になって眠い。

うとうと頭がカクってする。

お休みなさーい。

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