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二匹目

「ちょっとそこの美しい鱗のお嬢さん」


 俺は王城からどうどうと正門を通って城下町に出る。

 俺は勇者らしいので、何か聞かれると思ったが別に何も無くそのまま城下町に行けた。

 さっそく西の森に行こうと思い、目に付いた美鱗の女性に声を掛ける。

 全体的には人間なのだが、青い光沢のある鱗が手足にあり、太い尻尾が中々チャーミングだ。

 青い美鱗の女性は槍と皮鎧を装備していてリュックを持っている。

 冒険者とかかね。

 しかし、異世界すごいぜ!あの尻尾に頬ずりしたい!


「は、はい?」


「ここから西の森って遠いのか?」


 俺が声をかけると、青い美鱗の女性が振り返る。


「えっ……」


 青い美鱗の女性は俺を一目見ると、口を開けて絶句した……。


「?」


 言葉が通じて無いのか?


「あ、あなたの、卵を産ませてください!」


 おう……嬉しい事言ってくれるがまだ早い。俺の初めての相手はドラゴンだ。


「まぁ後でな、とりあえず色々話を聞きたい」


「は、はい。何でも聞いてください!」


 俺は彼女の泊っている宿屋に招待され、彼女から色々聞きだす。

 そして最後に彼女に頼んで立派な尻尾を触らせてもらった。

 彼女は俺が尻尾を一撫ですると「ビクビクッ」っと昇天して気絶してしまった。


「ごちそうさまでした」


 幸せそうな笑顔で気絶したままの彼女をベットに運び毛布を掛けた。

 俺は床で一眠りすると、気絶したままの彼女を置いて宿を出た。


「では、さらばだ」


 どうも今の俺は「ドラゴンチャーム」のスキルが駄々漏れになってるみたいだ。

 彼女の話だと冒険者ギルドでギルドカードを発行してもらうと、スキルの調整が出来るらしい。

 ちなみに彼女は「青鱗族」と言う種族らしい。傭兵にこの街に来ていて、女だけの種族で元の世界のアマゾネスに近い生活をしているらしい。

 今の俺はドラゴンフェロモン全開に近い状態なので、目立つとまずい。

 そして彼女から教えてもらった冒険者ギルドに向かった。


「――行くぜド~ラドラド~ラゴン○ーザー♪」


 鼻歌を歌いながら歩いていると、冒険者ギルドが見えた。


「いらっしゃいませ。冒険者ギルドにようこそ」


 結構でかい建物の冒険者ギルドに入ると、カウンターから声をかけられた。

 カウンターを見ると、若い男が俺を見てニコニコしている。


「冒険者登録をしたいのだが」


「はい、承っております」


 話を聞くと、登録料は無料らしいが、年間に何件か依頼ノルマが発生するらしい。


「では、こちらに手を置いてください」


 俺は言われたまま石版に手を置く。

 手を置くと、一瞬石版が光り空中からスマートフォンぐらいのカードが現れる。


「こちらがギルドカードです」


「ほう」




 名前:竜崎 龍平

 職業:モンスターテイマー Lv1

 称号:無し

 冒険者クラス:F級


 テイムモンスター:無し




 ギルドカードを受け取って、「ギルドカード」と念じると、自分の目の前にウィンドウが出て自分の名前と職業などが書いてある。

 職業の所をタップすると、スキルのオンオフが出来るみたいだ。

 召喚物のテンプレだが、使いやすいぜ。

 とりあえずドラゴンチャームをオフにしようとすると、オンオフだけでは無く、5段階に設定できるみたいだ。

 とりあえず1にしておくか。


「たしか、西の森にドラゴンが居ると聞いたのだが」


「はい、たしかに居ますね。ここから歩いて4日ほどの距離です」


「どんな状況なんだ?」


「直接の目撃情報が少ないのですが、フィールド型の火竜の若い個体みたいですね」


「ふむ」


 フィールド型か、ダンジョン型だと会うまでにめんどくさいが何とかなるか……。


「余り被害が出てないので、討伐依頼はまだありません」


 問題はどうやってそこまで行くかだな。


「ただ、ドラゴンですから腕自慢が財宝目当てにトライしているみたいですね」


 他の奴に先をこされて倒されるのは癪だ。

 俺はギルド職員にそこまで話を聞くと、カウンターから離れた。


「さて、どうするか……」


 俺はこれからどうやって西の森まで行くか考えながら冒険者ギルド内を見回した。

 む?俺のドラゴンセンサーに反応が!


「……邪魔よ、そこどいて」


 俺に後ろから女が声をかけた。

 俺が声の方に振り向くとそこには自分の身長ほどもある幅広な大剣を背負った青い髪の小柄な女が居る。

 ほう、この女……。

 見た目は人間そのものだが、俺のセンサーがビンビン反応してるぜ!

 女は俺と一瞬目が合うと冒険者ギルドのカウンターに向かった。


「これおねがい」


 女はドスッと袋をカウンターに乗せると中年のギルド職員が驚いた顔をする。


「おぉ、これは……さすがはS級冒険者のエリーさんですな。ソロでこれほどとは……」


 ギルド職員はもみ手しそうな勢いでエリーと言う女の袋の中身を覗き込む。

 俺はソレを見ると、冒険者ギルドから出て、入り口の見える路地に隠れた。







「……そろそろ出てきてくれる?」


 人通りが少なくなる街の外壁近くでエリーは立ち止まる。

 エリーが冒険者ギルドから追けていた俺に声をかける。

 俺は素直にエリーの前に立った。


「なにか私に用かしら?」


「そうだな……とりあえずはお前に仕事を頼みたい」


 エリーは「お前」と呼ばれると不快そうに顔をゆがめる。


「何処の誰だか知らないけど、仕事なら冒険者ギルドで依頼して。もし、私に指名なら依頼料は高いわよ」


「依頼料は後払いになりそうなんでな」


 俺はこっそり「ドラゴンチャーム」のLvを3に上げる。

 エリーは一瞬「ナニ?」とした表情をして俺を見るが、頭を振って意識を戻した。

 人間に近いから耐性があるのか?


「お前、エリーとか言ったな」


「ええそうよ、アナタ、あんまりしつこいと衛兵を呼ぶわよ!」


「上手く隠してるが、お前……ドラゴニュートだな?」


「……な、なぜそれを!」


 ドラゴニュート、竜人とも言われる竜の一族だ。

 俺の世界では色々ゲームや古典民話とかに出てくる。

 竜と人間の混血であったり、竜の眷属であったり、設定や見た目もまちまちだ。

 だが、総じて竜の能力が一部使えて、人間よりも強靭だ。


「目がドラゴンの瞳になってるぜ!俺はそっちの方が好きだがな!」


 俺はそう言うと「ドラゴンチャーム」のLvを最高の5まで上げた。


「……なんなりとご命令を、ご主人様」


「西の森に行く、護衛を頼む」


「はい、わかりましたご主人様♪」



 あぁ……こういう話は書きやすいなぁw

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