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とりあつかいせつめいしょ

『取扱説明書』を開くと、まるでゲームのキャラクター作成画面のように、ステータスが表示された。

とはいっても、キャラクター作成画面とは違い、すでに名前や性別などは決まっている。

入れ替わる人物のすでに所持している能力を下げることはできず、単に『特典』に対して消費していくだけ、と言う仕組みのようだ。

今の能力が表示されている。


名前:アキラ 種族:人間族 年齢:15 職業:司書(下級) 熟練度:32

能力:標準(知恵↑、幸運↓) 所持金:少 個人スキル:書籍鑑定(下級)、なし × 9

ギフト:なし


分かりやすいと思うべきか、逆に分かりにくいと思うべきなのだろうか?

そもそも司書(下級)ってなんだよ、と思った瞬間に頭の中に回答が浮かぶ。

職業やスキルはそれぞれ、『下級』・『中級』・『上級』と概念的に区別されており、『下級』は職業の場合は見習いに当たり、スキルの場合も同様に「出来る様になった」程度をさす。

熟練度は、100に達するとひとつ上の級に上がる。上級の場合、上位職に転職しまた『下級』からやり直すことになる。最上位職でそれ以上上位転職できない場合には『特級』となる。司書は『アキラ』が孤児として生活するために、図書館で働いていたためにその職業となっているようだ。


スキルにも同様に熟練度が存在するが、熟練度が100になっても上位スキルを覚えられるわけではない。スキルは基本的に『職業』に依存しており、『職業』で利用できないスキルを覚えることは出来ない。(アイテムや使える人から教えてもらう等の例外はあるが)

例えば司書(下級)には書籍鑑定(中級)スキルがないため書籍鑑定(中級)スキルを覚えることは出来ない。

その代わり、熟練度が100に達したスキルは個人スキルとして所持・使用する事が出来るようになり、仮にほかの職業に転職しても、個人スキルとして所持しているスキルは職業スキルに依存せずに使える。

ただし、個人スキルは10個までしか所持できない。上書き等も可能とはいえ、無制限には利用できないのが実情だ。


能力については、15歳としては標準で、知恵が高い代わりに幸運が低いという表記になる。

ギフトはこれからポイントを消費して取得できる、と言うことか。


これは悩むな。ギフトだけでもずいぶん色々あるし、ストレートに能力を上げることも可能だしで出来る範囲は広い。

しかしまあ、入れ替わって冒険者で身を立てようとすると所謂「ダンジョン」に入る必要があるようだし、そういう意味ではこちらの世界での名作RPGがある程度参考になるだろう。

と、すれば一番に必要なのはやはり『鑑定』能力だろう。

向こうの世界での一般常識があるとはいえ、こちらの世界だって見たことない物は何だか分からないのだから、向こうでも同様の状況は想定される。

見つけた時に『それが何か』を調べれるのは利点が多い。

こちらの名作RPGも鑑定役がいないと序盤かなり金策が苦しいしな。

『鑑定』能力を個人スキルで所持するだけで1ポイント消費するのはずいぶんもったいないな、と思っていると、初期職業固定も1ポイント消費で可能なようだ。なら『職業スキル』として『鑑定』を持っている職業、と言うのが良いか。

脳裏に数個だけ職業が表示される。書籍鑑定のように特定の鑑定のみ可能な職業は多いが、「全て鑑定できる」スキルである『鑑定』を所持する職業は思っていた以上に少ない。

賢者、大賢者、識別師、鑑定師、怪盗・・・ん?


怪盗:探索系職業最上位職のうちひとつ。


ダンジョンに入る以上、探索役として罠を発見・解除できるのはすばらしい。その上鑑定まで出来るのはもはや便利を通り越してチートに近いだろう。

「正体偽装」のスキルもあって実力を隠して生活出来るところもポイント高い。ほかにも便利に使えるスキルがたくさんある。これは確定だな。

怪盗は職業スキルがかなり多く、ずっと怪盗でいるならともかく、仮に転職を考えるなら個人スキルが10個では足りそうもない。

ならば個人スキル上限撤廃(5ポイント)を取って・・・

と言う感じでアレコレ悩んだ。おそらく実時間では4,5時間が経過したのではないだろうか?

結果として、以下のようになった。


名前:アキラ 種族:人間族 年齢:15 職業:怪盗(下級) 熟練度:0

能力:標準(知恵↑、幸運↑) 所持金:高 個人スキル:書籍鑑定(下級)、なし × 98

ギフト:『初期職業固定』(1)、『初期所持金上昇』(1)、『初期所持品』(1)、『幸運』(1)、『天賦の才(成長、回避)』(2)、『個人スキル上限撤廃』(5)、『初期所持武装(逸品)』(5)

(括弧の中は消費したポイント)


『初期職業固定』:初期職業を特定職に固定する。

『初期所持金上昇』:所持金が2段階上昇。

『初期所持品』:特定のアイテムを所有。アイテム所持数がアップする魔法の袋を選択。

『幸運』:幸運を2段階上昇。高品質アイテムの発見率微増。

『天賦の才(成長、回避)』:成長速度が2段階上昇。回避が2段階上昇。

『個人スキル上限撤廃』:個人スキルが99個まで所持可能。

『初期所持武装(逸品)』:武器・防具に『逸品』級アイテムを所持。


正直なところ能力も上げたかったのだが、ポイントをどうやっても都合できなかった。

所持金が少ないのは序盤かなり苦労しやすいし、一定の所持金があるに越したことはない。

アイテムも「いいアイテムが買える」保証はないので、ある程度の武器は所有したい。

『初期所持武装』にいたっては10ポイント必要なものもあるし、これは妥協した範疇だろう。5の下は2だったし・・。


これでいいか、と思うと突然ステータス画面は見えなくなり、それまで視界に存在しなくなっていた爺さんがどこからともなく現れる。

「決まったかの?」

「ああ。」

色々と後悔の種はありそうだが、躊躇なく答える。

「ちなみにじゃが、わしの説明で分かりにくかった点があるかの?次の説明時に取り入れたいのじゃが。」

「いや、前の人物はなかなかセンスがいい。分かりやすかったぜ。」

「そうか、では達者での。」

その言葉とともに、白い光の奔流がまた始まる。

一度受けているといっても、眩しさにはなれる事が出来ない。

来たとき同様に目を閉じた。

今回、ステータス画面が出てきますが、今後は必要最低限にする予定です。かつての名作RPGも、今では見る影もな・・イヤナンデモナイデス

訂正:『初期所持武装(固有)』→『初期所持武装(逸品)』ご指摘ありがとうございます。

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