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競技祭予選(当日-予選決勝まで)

予選当日。

事前に提出した書類により割り当てられたグループごとに予選を戦う。


1期生は約120チーム近くあるそうなのだが、それをいっぺんに戦わせるのは難しいからこうなっているとのこと。

聞いた話によると、1期生の殆どは参加しているらしい。どうしてもパーティが組めなくてあぶれてたメンバーでさえ即興でパーティを組んで挑戦しているとか。


1戦勝つごとにパーティポイントや個人の特典(といっても食事券のようなあまり大した特典では無いのだが・・)をもらえるため、この予選に参加しないというのはありえないそうだ。

そう話していたクルトは、自身はのんびりと観客にまわると言っていたが。


1期生に割り当てられた会場はオリエンテーションでも利用された講堂だった。

この講堂はかなり大きく造られているからな。とはいえ、大きめの体育館をイメージすればそれに近いかもしれないが。


ここでグループごとに予選を戦う、と。

既に床に剣道や柔道で見るような仕切りがかかれており、そこから出ると場外判定のようだ。


先生や職員が審判として用意している。奥にはけが人が出た場合に備え、臨時の救護室もあるようだ。

そんなに多く試合できる場所があるわけじゃないし、この程度でも十分と言うことかな。


我がパーティのグループはB、割と序盤だな。

やることも無いし、少し軽くストレッチでもしておくか。Aグループが終わりそうになったら声をかけてくれとミランに頼んで外に出てストレッチをする。ノーラやリーゼも同様に体をほぐしているようだ。


しばらくするとミランが呼びに来る。

まだAグループは終わっていないが、減って場所が開いたためBグループが始まるらしい。


最初に呼ばれることは無かったため、Aグループを見るが、だいぶひどいな。

戦士だけ6人というチームが勝ちあがっている。

後衛は槍でそろえ、後ろからも前衛を攻撃するというある意味で分かりやすいパーティだ。


まあ確かに、攻撃を集中するという意味では悪くは無いのかもしれないが、競技祭では通じてもダンジョンじゃ通じない典型的なパーティだな。


と、そこで声がかかる。うちのパーティの出番か。

色々と相談し、前衛は左にルカ、中央に俺、右にシオンと言う編成になっている。

後衛は相手によって調整する形だな。シオンが怪しいようであればシオンの後ろにノーラをおいてフォローする。


ルカの後ろにリーゼがいるというのだけが決まった配置だ。

リーゼは回復魔法に意味が無いこともあって、初手から防御魔法を唱えてもらうことになっている。

防御魔法なら多少は効果があるらしい。保険程度と割りきっておく必要はあるだろうが。


初手は・・戦士5人に魔法使いというパーティか。

Aグループで戦士6人パーティが勝ちあがってるのを見ているのだろう。意気軒昂なようだ。

いかようにでも対処の方法はあるし、・・少し痛い目を見てもらいますか。


「はじめ!」

号令がかかる。

目の前の戦士が剣を大きく振りかざす。まあ待ってやる義理は無いな。

号令と共に駆け出し、振りかざした瞬間を狙って胴体の鎧をめがけて蹴り付ける。


予想外だったのだろう。後ずさる。

更に追いかけ、左手の短剣(木刀なんだけど)で胴体に突きを入れる。


木刀で鎧の上からといえど痛いものは痛いよね~。うめいて膝を付いたソイツを放置し、すり抜けて後ろにまわる。

呪文の詠唱をしていた魔法使いを右手に持っていた短剣で切りつける。


突きを入れてもいいが、さすがに鎧を着て無い魔法使いを突くのはなぁ。

魔法使いは慌てて呪文を中止して杖を投げ捨てて両手を挙げる。


降参か。ま、正しいんじゃない?

後ろの戦士が立とうとしているので。後ろから再度逆手に持ち直した左手の短剣を振り下ろす。

「ごふっ」

ばたりと倒れ、鎧につけてあるカードが赤くなる。死亡判定だ。

ちらりとシオンを見るが、ノーラとうまく連携して正面の敵をうまく処理している。

後衛の戦士は付け込む暇を見出せないようで、まごついている。


ルカのほうを見るが、こちらはまったく危なげない感じで2人の攻撃を捌いている。

お、スタンスマッシュが決まった。コレはすぐに終わるな。


ミランの魔法がシオンとノーラの後ろの敵に当たる。

俺が手を出さなくてもすぐに決まると思うが、魔法を受けた後衛の戦士に横合いから切りつける。


中央があっと言う間に制圧されると思ってなかったのだろうし、どうも槍は専門ではないようだ。

ずいぶんと取り回しが怪しい。

こちらに向き合って身構えているが、俺が攻撃しない理由が分かってないようだな。


彼の前衛の戦士はもう既に死亡判定を受けている。

こちらに意識を向けて、こちらに構えた、ということはシオンから見ると隙だらけだ。

一刀の元に切り伏せられる。

さて、後はルカは・・もう前衛は倒しているか。


いつの間にか残り一人になっていると気づいた最後の戦士も慌てて武器を投げ捨てて降伏宣言。

パーティ編成の考え自体は悪くないと思うけどな、競技祭に向けて急造で造ったパーティなんだろう。色々と連携が出来てない。


Bグループでも勝ちあがるかと思われていたパーティをほぼ秒殺したせいか、ざわめきが広がる。

始まるまで暇だから観戦しているチームもあるのだろう。実力を出す、と決めたとはいえ視線がうるさいな。


軽く見渡すが、人が多いせいもあってボンボンのパーティは見えない。・・まだいないのか?

ノーラを見るが、特にあせっているような様子も無い。ボンボンに見せ付けるのが目的だと思っていたが違うのか?

・・いや、まだ予選初戦だ。気にするのは早いのかもしれない。


その後も特に苦戦らしい苦戦もせずに勝ち進んだ。と、言っても1グループに割り当てられてるのは約15チームなので3勝すればもうグループ内の優勝決定戦なんだが。

ここまでくれば万一負けても本戦には出れる。


負けるつもりは無いが。

この段階になってもボンボンが見に来る様子は無かった。

奴は取り巻き含めきらきらだからすぐ分かるんだよな。


「・・何をきょろきょろしてやがるんだ。」

決勝戦の相手は見覚えのある顔だった。

「探索者の癖にまだリーダをしてやがるのか。・・おれはお前みたいなのがだいっ嫌いなんだよ。」


「・・アス」

ノーラやミランの元パーティメンバー、斧戦士のアスだった。

アス君は・・最初ライバルキャラの予定だったのにどこで間違えたんだろうなぁ・・。書いてたらいつの間にかヤラレになっていたでござるの巻。

残念ながら彼に活躍の予定はありません(酷


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