表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/74

武具新調

4万PV + 1万ユニーク達成です。

書き始めたのは勢いだけでしたが、問題点ばかりの拙作をこれほどの方に読んでいただけるとは思いもよりませんでした。

今後ともよろしくお願いいたします。

取り急ぎ最も近い防具屋にやってきた。

何種類かの兜を適当につかむ。

「とりあえず、性能云々の前に何個かかぶってみて、一番使い勝手のよさそうな種類を選んでしまうのがいいんじゃないか?」

少しの間、ノーラはきょとんとしていたが、われに返ったように、

「そうだな。まずは兜を決めてしまわないと話にならないな。」

その後、何個かの兜を試し、西洋兜としては割と標準的な感じの目線のところだけ細く開いている兜をチョイスすることに。

しかし、この店はイマイチ品揃えがよくない。

せめて熟練品を一つでいいから置いておいてほしかったなぁ。


「兜の種類が決まったなら次に行こう。兜の専門店を確かどこかで見た気がする。」

その後、兜は割と簡単に見つかったのだが、兜だけがフルフェイス(顔を完全に隠す)なのにその下が軽装と言うのはどうにも目立ってしょうがない。

しかし、完全鎧はどうしても重い。

完全鎧ではなく、胸当てを購入しようとしたものの、これも兜に合わせるとなるとかなり難しく、兜に合う鎧はなかなか見つからなかった。

「悪くない案と思ったのだが・・・」

ノーラはずいぶん打ちひしがれている。


ここまでして避けたいとは、よほどいやな奴なんだろう。

何とか力になってあげたいところなんだがなぁ・・・。

ふと、今いる鎧屋のディスプレイに表示されている鎧が目に付く。


防具名:『白銀(はくぎん)の胸当て』 分類:部分鎧 品質:熟練 効果:『軽量化』


「あんなのは?割とよさそうな感じだけどな。」

「うん?ああ、あれか。・・・確かに悪くはなさそうだけどな。」

惜しむらくは金額だけどな。流石に白金貨5枚は出せない。

いや、もちろん払おうと思えば払えるけどね?


ノーラがリーゼと少し話している。

会話の内容は聞こえないが、少しだけこちらを気にするような視線を送ってくる。


あっさりと結論が出たようで、堂々と購入されてしまった。

白金貨5枚をぽんと出せるとは、結構なお金持ちなんだなー等と割りと的外れな感慨にふけりながらも、特にそのことについて指摘はしなかった。

・・・誰にでも聞かれたくないことはあるからな。


とはいえ、戦闘している時にずっと気になっていた盾については遠慮なく指摘させてもらった。

大型のカイトシールドはうまく取り回せていない感が強かったので、腕にくくりつけるタイプの丸い盾に変更してもらった。


鎧が白なので、他の装備も出来る限り白に統一することで、印象はずいぶん変わった。

その上で兜をかぶっているので、声でも聞かない限り本人だとは分からないだろう。

結局、買い揃えるのには2時間程度かかった。


ふと気が付いた。

「呼び名は?変えなくても大丈夫なのか?」

「ああ、それは大丈夫だ。・・・ノーラと言う名前自体さほど珍しいと言うわけでもないしな・・・。」

後半は少しとってつけたような理由だな。別の名前がある、ということかな。

多分、ノーラも貴族なんだろうな。どの程度名前が通った貴族なのか分からないけど。


でも、それをこちらに伝えていないと言うことは、貴族として扱ってほしくない、というサインなんだろう。

気が付かなかった風を装ってスルーする。

「それなら良いけど。」


閉まる前に何とか食事どころに帰り、シオンとルカからも

「まったく分からない。別人だよ。」

と、太鼓判を貰う。


その翌日はややノーラの取り回しが怪しかったものの、すぐに修正してくるあたり、能力の高さを実感する。

更に翌日に転入生の噂が流れた。


転入生というのはかなり珍しく、すぐに噂が広まったようだ。

魔法使いを含む6人パーティ、惜しげもなく武器防具に金かけてる、という噂を聞いたときはさもありなん、と思ってしまった。


しかし、このタイミングで噂になると言うことは、ノーラの変身はギリギリ間に合ったと言うことか。

夜の反省会で兜を脱いだノーラが、

「正直、ここ以外で脱げるタイミングはほとんどないんだ・・・。後は部屋の中だけだよ。さっさとあきらめてくれれば良いが・・・そうも行かないだろうな。」

しみじみと呟いていたのが印象的だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ