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閑話 学園長視点(後編)

画面は開発中のものであり、作品展開の都合により変動する可能性が(以下略)となります。

『人物鑑定』の能力を持つ魔道具、人見(ひとみ)の眼鏡を掛ける。

まずはコヤツを見てみるか。


 名前:クルト 種族:グノーム族 年齢:34 職業:探索者(上級) 熟練度:78

 能力:力(8) 知恵(9) 魔素(6) 生命(10) 器用(13) 敏捷(9) 幸運(12)

 

ふむ、何度見ても数値として表示されるのは奇妙な感触じゃの。

 多くの冒険者を見てきたが、グノーム族としては標準よりは良いという程度じゃな。

 探索者(下級)であれば、と言う前提じゃが。


ランクが上がるたびに能力が上がるというのは広く知られている。

探索者(上級)ではこの能力は低い、となってしまうな。探索者(下級)でもこの能力はおるからの。


「さて、アキラとやらは最後にするとして、次は・・・そうじゃの、お前さんのお守り相手を連れてきてくれるかの。」

「ああ、わかった。」


クルトが出て行き、すぐに次の人物がノックのあとに入ってくる。


「はじめまして、ノーラです。」

レスティア家の象徴とも言うべき赤い髪。・・・前にどこだかのパーティであった事がある筈じゃの。

「初めてではないと思ったがの。どこだったかでお会いした事があったはずじゃよ、レスティア家のお嬢さん。」

「・・・驚きました。1度しかお目にかかっていない上、3年ほど前のことでしたから覚えていらっしゃらないと思ったのですが。」

ま、クルトから聞いていなければ思い出すことはなかったろうな。

赤い髪がさして特別に珍しいわけでもないし。

「改めまして、ノーラシュナット・ラウル・レン・レスティアです。おひさしぶり、と申し上げたいのですが、学園内ではただのノーラとして振るまわさせていただきたいのです」

「もちろん、そうしていただかないと困るの。」

貴族としての権限を振りかざすつもりは無いとあらかじめ言うあたり、なかなかに好感が持てるな。


さて、せっかくじゃし、こやつも見てみるかの。


 名前:ノーラシュナット 種族:人間族 年齢:16 職業:槍戦士(中級) 熟練度:14

 能力:力(12) 知恵(9) 魔素(11) 生命(10) 器用(10) 敏捷(10) 幸運(9)


なるほど、の。流石に能力が高いの。

しかし迷宮に入った事があるわけでもないのに中級とは。守護者を倒してレベルアップした、と考えるのが妥当であろうな。


その後、軽く聞き取りをして退出を命じた。


次に入ってきたのはエルフの男の子であった。


「私は初めまして、になるかと思います。ミランセルド・レスティアです。ノーラ姉さんはイトコに当たります。」

なんと、もう一人お守りをしとるのか。

「ああ、はじめまして、じゃの。しかし、失礼を承知で聞くがその名乗りは?」

「私は継承権を放棄しております。本来はレスティアを名乗るのも適切ではないのですが、今だ独り立ちは出来ておりませんし、学園卒業までの限定で名乗りを許されております。」

「なるほどの。」

まあエルフということは母親は側室じゃろうし、継承権を持つわけにも行くまいの。

さて、こやつはっと・・


 名前:ミランセルド 種族:エルフ族 年齢:15 職業:物理魔法使い(雷:中級) 熟練度:3

 能力:力(5) 知恵(12) 魔素(15) 生命(8) 器用(8) 敏捷(9) 幸運(9)


やはりコヤツも中級にランクアップしておるか。

魔素は流石に高いが、他はまあエルフとしては標準かの。


その次は僧侶服の女学生だ。


「はじめまして。リーゼリッテ・フォン・アーゼルハイトです。」

「ほう、アーゼルハイト伯爵の。」

西にて港町を治めておるそこそこ有力な貴族じゃな。


 名前:リーゼリッテ 種族:人間族 年齢:16 職業:神聖魔法使い(中級) 熟練度:27

 能力:力(7) 知恵(14) 魔素(12) 生命(10) 器用(10) 敏捷(9) 幸運(9)



その次は・・なにやら顔色の悪い戦士じゃな。

「・・・初めてお目にかかります。アス・ド・ヤーシャイクです。」

「うむ。なにやら顔色が良くないようじゃが。」

一代爵か。流石に聞いた事がないの。

「・・・失礼を承知で伺いますが・・・。」


どうも、もともと一代爵としても存続が厳しいようじゃな。

今回のことで放校にならぬかを気にしておった。他のものも手も足も出ていないようじゃし、特に資質に問題があるとは考えておらぬ、と説得したがあまり能力が高いとはいえないのう。


 名前:アス 種族:人間族 年齢:16 職業:斧戦士(下級) 熟練度:16

 能力:力(12) 知恵(8) 魔素(8) 生命(9) 器用(9) 敏捷(8) 幸運(7)


まあ、本人の努力しだいじゃな。あとは。


次に入ってきたのは全身甲冑と黒髪の少女だった。

正直なところ少し驚いた。


「一人ずつ入ってくるように伝えたはずじゃが。」

不快感を隠さずに言う。

「申し訳ありません。しかしながら、このものは事情によりほとんど話せませんので、失礼を承知で付添わせていただきました。」

「どういうことじゃ?」

「先に自己紹介をさせていただきたく。私はシオン・ド・シルバーソード、こちらはルカ・ジ・スクトゥムです。」

だから一代爵なぞそう知らんよ。もう少し有名なところであればともかく。

「ふむ。それで?」

「ルカは、『操衣術』の使い手であります。」

「うん・・・?『操衣術』とな?」

使えるものが限られたスキルじゃな。われわれの耳には聞こえぬという独特な声にて旋律を奏でることで使える、という。

ふうむ。2人の能力を見る。


 名前:ルカ 種族:ヒューイ族 年齢:15 職業:戦士(中級) 熟練度:21

 能力:力(12) 知恵(6) 魔素(12) 生命(12) 器用(10) 敏捷(9) 幸運(9)


 名前:シオン 種族:ミュウ族 年齢:15 職業:剣術士(中級) 熟練度:8

 能力:力(7) 知恵(8) 魔素(8) 生命(10) 器用(12) 敏捷(16) 幸運(10)


剣術士とはまた珍しいの。力ではなく技で攻撃する戦士。

どちらも有望な能力と言えるな。


「まあ、そういうことであれば仕方なかろう。」

今までと同様に軽く聞き取り調査を行うが、ルカとやらは本当に最後まで一言も発さなかったな。


さて、メインの到着かの。


「はじめまして、アキラです。」

「うむ、早速いくつか聞かせてもらうとしよう。」

会話をしつつ能力を見る。


 名前:アキラ 種族:人間族 年齢:15 職業:探索者(下級) 熟練度:21

 能力:力(9) 知恵(8) 魔素(8) 生命(9) 器用(12) 敏捷(8) 幸運(10)


なんじゃと!?驚きが顔に出ないようにするのが精一杯じゃ。

ただでさえランクがあがりやすいことで知られておる探索者が下級じゃと!?・・・・・・ありえん。

それになんじゃ。このまるで標準値です、と言わんばかりの能力は。


・・・まさか、コヤツ。

悟られぬようにスキルを発動する。『正体看破』じゃ。

それからもう一度じゃな。


 名前:アキラ 種族:人間族 年齢:15 職業:怪盗(下級) 熟練度:27

 能力:力(25) 知恵(28) 魔素(20) 生命(24) 器用(28) 敏捷(32) 幸運(35)


くっくっく、こうでなくてはいかん。

30を超える数値なぞ、学生ではありえん。おそらく今の超一流の冒険者と比べてもさほど遜色はなかろう。


笑い出したいのを堪える。

これからこの学校でコヤツが何を成すのか、今から楽しみじゃわい。

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