ゲームの足音
カタカタカタ……
汗が頬を流れて机の上に落ちる。
七月下旬というのに窓も開けずにパソコンの画面を睨み続ける…。
そして心の奥から自然に生まれてくる笑い…。
「フフッ!いったいどんな奴がくるんかねぇ?」
カタカタ……。
「俺が愛ってやつを教えてあげましょう……。」
フフッ!
無我夢中にパソコンを打ち続ける。
突然机から立ち上がり、
「出来た!」
ヤッタァ!ヤッタァ!と飛び跳ねて喜んでいたら、足の小指をタンスの角にぶつけてしまった。
ガッッ!
小指の爪が割れ血が吹き出した。
「いってぇ〜〜!あ〜〜いてぇ!ちきしょう!!………………フフッ!……………フフフッ!……………ハハハハ・!」
マジ嬉しいぜ!!これから楽しいゲームが始まるよ!ハハハハぁ!
「よし!読み返してみよっと!」
マウスをスイスイっと移動させて画面の一番はじめまで戻した。
そしてゆっくり読み始めた。
「恋愛革命計画!
最近、恋愛していないあなた!
恋愛したいけど出会いがないあなた!
そんな人たちで集まり盛大にパーティーしませんか?もしかしたら運命の人が見つかっちゃうかも……。
幸せな人生をあなたに!
参加費用は5千円!
日時8月9日!
ぜひ参加してください!
登録はこのページの一番下で!
8月9日………
あなたの人生が変わる!」
よしっ!完璧だ!
「フフッ!楽しみだなぁ!愛と命……。どっちが大切かな……?」
窓の外を見た。
いつのまにか日が沈みかけてる。
「キレイだなぁ……。」
その日の夕日はいつもより赤かった。
この日から、醜い、殺人ゲームが動きだした。