気化熱【200文字】
扇風機のそよぐ風は、僕達の汗を僅かばかり乾かしてゆく。
古くてボロい、アパートの暑い一室で、やる事なんて他に無い。
次から次へと噴き出す汗は、肌を流れて染みを広げる。
それでも僕には抗う気は無い。
遥か太古に刷り込まれた、脳の記憶に素直に従い、ただ汗を滴らすだけだ。
次第に世界は色を無くし、僕の中から消え去ってゆく。
…やがて張り詰めた糸が切れるように、僕はその場に崩折れ、そよぐ風は、熱と汗とを徐々に奪った。
扇風機のそよぐ風は、僕達の汗を僅かばかり乾かしてゆく。
古くてボロい、アパートの暑い一室で、やる事なんて他に無い。
次から次へと噴き出す汗は、肌を流れて染みを広げる。
それでも僕には抗う気は無い。
遥か太古に刷り込まれた、脳の記憶に素直に従い、ただ汗を滴らすだけだ。
次第に世界は色を無くし、僕の中から消え去ってゆく。
…やがて張り詰めた糸が切れるように、僕はその場に崩折れ、そよぐ風は、熱と汗とを徐々に奪った。
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