孫次郎の婚姻②:『嫁入り次第』
で、今日は『婚礼』。ということもあって朝早くからお屋敷がざわついている。
しかも皇女様の『降嫁』だ。『近衛邸』で婚儀を行うということなので、平安や鎌倉時代の公家の婚姻形式である『婿入り婚』と違って、『嫁入り次第』という形式になるのだそうだ。
ただし、夫側が牛車を出したり迎えに行ってはいけないらしい。これをしちゃうと『入内』と同じ状況になるのでダメなのだとか。色々過去にも物議を醸した例もあって、折衷案としてお舅さん側が用意するのだとか。今回の場合は主上?
お迎えする側はお相手が皇女様ということで、束帯だ。宮家同士だとここまでお堅くないらしいのだけれど。しかも内親王宣下まですまされている皇女様。
牛車で来られるとのこと。私(令和のおばちゃん)的には、内親王様が使われる牛車が見られるということにものすごくワクワクしてる。婚儀のために今回新調されたのだそうだ。
(父曰く、うち(阿波三好)持ちらしい)。ただし、これは『降嫁』された後は使えないので、御所に戻されるんだって。
もしかして、この一回きり? 他の内親王様の時にも使われるらしいから… 『献金』したと思えばいいか。
ああ、令和でいう『結納金』も贈ってるよ。そこには牛車は含まれていないみたい。
この時代、牛車を新調するのは珍しいとのこと。皇家も公家も台所事情が厳しいからね。
阿波三好から毎年の献金で助かっているのだとか。
実は『近衛邸』も色々改装したりとか、『婚姻の儀』で過ごす仮住まいの別室の建物も『近衛邸』内で新築されている。
その費用も『阿波』持ちだそうだ。
そう、あの『勅使』がきて以降、『即位の礼』や『大嘗祭』の準備金、こうした婚儀に関する諸々の費用。『阿波徳島城』の築城と城下町の整備。金額知るのが怖いよ。桁が違うんだろうなあ。(令和のおばちゃん小市民だったから)
とんでもない金額が銀行ローンもないこの時代、現金払いで全額支払われたことになる。
阿波一国で数年でそれができたことが奇跡だよ。それには父をはじめ、大人達がめちゃ頑張ってくれたんだよね。本当に感謝してる。
ここで『阿波』と『堺』、日本の大大名家と大きくつながったのは『阿波三好』にとって良かったのか、そうでないのかはこの世界線上の歴史が評価することなんだろうけれど。
ちなみに現段階で、全ての荷下ろしは淡路が中継になっている。これはあらかじめ『阿波』が『天領』になることが決まったために人や荷の出入りを管理するためだ。
遍路にしても従来の遍路道を整えて、専用道だ。周囲を高い壁で仕切り、街の主街道や城下町を通らない仕組みを作った。
もちろん随所にトイレや休憩所、食事処に素泊まりの宿も完備している。お土産も買えるようにもしてる。
これは遍路に化けた忍び対策だ。六郎(細川晴元)様の一件で遍路に対する認識が改められたことが一因だ。
いずれにせよ、いろんな意味でここ数年で『阿波国』は急速に変わった。




