長慶おじさん!なんてこった
初めての歴史物?です。
なんちゃってものなので気楽に読んでいただけるといいなって思いつつ書き始めてます。
誰かに身体を思いっきり揺すぶられる。せっかく気持ちよく寝てたのに。
ふっと目を開けると大河ドラマの時代劇に出てくるかのような出立ちのくたびれ、疲れ果てたおじさんの顔が間近にあってびっくりした。
えっ⁇ だれ? このおじさん。
おばさんの自分を棚に上げておじさん呼ばわりしてるけど、誰よ、この人。
「目が覚めたか、時間がもう無い。せっかくお前が見せてくれた『胡蝶の夢』を無視したばかりに我が一族はお前のいう通り滅ぼうとしている。どうか、目覚めて、わしの代わりに今一度我が一族を、この日の本を守ってほしい。わしのこれまでの一生はそのままお前の一部となる。案ずるな。今一度、この身体を思う存分使ってくれ。任せたぞ」
そういうと私の額にくっつけるように自らの額を重ねると一気におじさんの記憶が流れ込んできた。
殺すか殺されるか、騙すか騙されるかの生々しく血みどろの人生。あまりにも強烈すぎて吐き気を催しかけた。そうやって手に入れた栄光もほんのわずかな輝きを得たものの、おじさんの最期はあまりにも寂しいものだった。
おじさんは自分の名前をはっきりと名乗った。
「わしは、三好修理太夫長慶。日本の副王と呼ばれておった。じゃが、今となっては、そんなことなどどうでも良い。わしはそのために全てを失ったのだ。再び同じ命を得ることができたゆえ、今度こそはお前と共にあの悲劇を繰り返さぬようにしたいのじゃ。目覚めよ。そして力を貸してほしい。三好のため、阿波のため、日の本のために…… よろしく頼んだぞ。わしもできることは協力するからな」
いつの間にか目の前に大きな穴が開いたと思ったら、その穴の中へと突き落とされてしまった。
何するんよ! と怒鳴りながら落ちていく。一瞬のゆらめきの後、衝撃を覚悟してキツく目を閉じたけれどもそれはいつまで経っても起こらない。恐る恐る目を開けると
いきなり誰かが覗き込んだかと思ったら
「千熊~~~~! 気が付いたか。誰か、誰かある。医師を呼べ。千熊が目を覚ました。早う、呼ぶのだ」
長慶おじさん似のおじさんより年若の大体二十代半ばの男性の大きな声に面食らっていると、スッと意識の中で長慶おじさん? の思考とシンクロする。
「ち、父上? 父上?」
長慶おじさんの感情と共有したためか、込み上げる嬉しさ(おじさんの感情)にうぁーんと幼児特有の甲高い声で大泣きする自分自身に驚き、戸惑い、途方に暮れながら、その流れにただひたすら身を委ねることしかできなかった。
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