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論破スキル『死んでください』を手に入れた俺は、村人を抹殺する!  作者: 酒とゾンビ/蒸留ロメロ


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2/3

 フトウ村に到着すると、最初に出迎えてくれたのは、村長だった。


「貴様あ! 何しにここへ戻ってきたあ!」


「ただいま!」


 すると村長の怒号を聞きつけた村の皆が、次々と家から出てくる。

 そして俺を見た途端、腫れ物に触るような顔をで見てくるのだ。

 もちろんオスカルとラダンの姿もあった。

 2人は相変わらず、苦い表情をしていた。


「戻ってくるなと言ったじゃろお!」


 冷たいな~それが17年も一緒に暮らした家族に言うセリフかよ……

 あ~あ……なんかもう、全部どうでも良くなってきたな~


「さっさとこの村から出ていけ!」


 すると槍を携えた大人まででてきた。

 俺を獲物か何かだと勘違いしているのか?


「村長? 実は話があるんだ?」


「話などないわああ! さっさと出ていけえええ!」


 聞く耳持たずか……


「――死んでください!」


「し゛ま゛っ゛たっ゛!」


 すると村長は口から血を吐き倒れた。


“「村長!」”


 皆、心配そうに村長の体を摩った。

 俺のことは一ミリも心配しなかったくせに。


「お前え! 村長に何をした!」


「論破したんだよ?」


 厳密にこれが論破だとは思えない。

 だがそういう能力なのだから仕方がない。


「じゃあ村の皆! 今までありがとう!――死んでください!」


“「どあ゛ほっ゛!」”


“「こわ゛っ゛ぱっ゛!”


“「し゛ま゛っ゛た!」!


 村中に鮮血が舞った。

 そして、バタバタと倒れていく村人たち。


「ロ……ロン太? 何だよ……これ?」


 オスカルとラダンが怯えている。


「だ か ら! 論破したんだよ? だよ?」


 言葉で殺すというのは不思議な気分だ。

 まったく何も感じない。

「死ね」と言って死なれても困る。

 殺した感覚がないのだから、困ってしまう。


「じゃあ、オスカル! 君も――死んでください!」


「ぷぎゃあ゛っ!」


 ――オスカル死亡。


「ラダンも――死んでください!」


「そ゛ん゛な゛っ゛!」


 ――ラダン死亡。


 そして俺は村の生存者たちを次々と“論破”していった。

 気付くと村は、もぬけの殻になっていた。

 もうこの村には誰もいない。

 俺はポケットに入っていたサラミを頬張った。


「うん! 良きかな! 良きかな!」


 後悔はない。

 だが不思議と達成感もない。


「なんだ? この感触は?」


 考えても分からない。

 殺したい奴らを殺したのだから、文句などないはずだ。

 だというのに……


「もうこの村に用はないな……」


 俺は、死体の山以外なにもない村を後にした。





 ▽





 あれからどれくらいの月日が経っただろうか?

 俺は行く当てもなく、ただ旅をしていた。


 道中色々なことがり、盗賊やら山賊やらを論破スキルで殺していった。

 するとどこで誰が見ていたのか?

 俺の噂を聞きつけたとある王国の使いが、魔王を倒してほしいと、そう言ってきたのだ。

 俺は暇つぶしに承諾し、魔法使いと剣士を連れ、勇者として、魔王城へ乗り込んだのだ。

 そしてそこに待ち受けていたのは、魔王? ではなく、角の生えた絶世の美女だった。


「お前が勇者か?」


 女はこの世のものとは思えないほど美しく、妖艶であった。

 艶めかしいとはこのことを言うのだろう。

 白い肌に黒い髪。

 そしてこのスレンダーな体系に、あの胸だ。


「お前が魔王か? 女なのか?」


「そうだ! 我こそが、この世界を統べる! 魔王、ベロニカだ!」


 ベロニカは魔王には見えなかった。

 豊満な胸を携えた、ただのお姉さんに見えた。


 そして俺はそこで考えたのだ。


 ――この美女を殺すのはダメだ。もったいない……と。


「ゴホンッ! え~……魔法使いのユリさん! そして剣士のアステロさん!」


 俺が名を呼ぶと、2人は疑問符を浮かべていた。


「――死んでください」


「あ゛ん゛ま゛り゛だっ!」


「な゛ん゛でっ゛!」


 2人が血を吐き、その場に倒れた。


「なるほど……それがお前の能力か?」


「そうだ。論破スキル……言葉で相手を殺すことができる」


 俺がそう言った時、魔王は額から汗を流した。

 村の人間関係に辟易し、冒険者に辟易した俺の人生が今、始まろうとしている。


「ところで魔王? お前、俺の女にならないか?」


「へ?」


「強制ではない」


 もちろん断れば殺すつもりだ。


 すると魔王は笑みを浮かべた。


「名は?」


「ロン太だ」


「ロ……ロン太?」


 魔王は俺の名を聞くと間抜けな表情で戸惑っていた。

 だが――


「いいだろう。お前を我が夫とする」


 強制ではない。提案だ。

 だがこんな理不尽な力を見せられた後では、「はい」としか言えないだろう。


「良い返事だ! では魔王! これより俺と、子供を作ろう!」


 俺は意気揚々とそう言った。

 紅くなる魔王の頬。

 照れる魔王というのも、一興だ。


 それから俺はしばらく、魔王城に籠った。

 1年くらいいただろうか?

 魔王とは会話もはずんだ。

 性格的に相性が良かったのだろう。

 そして毎晩、子作りに励んだ。


 だが2年ほどが経過した時のことだ。

 俺はこの暮らしに飽きた。

 何故かは分からないが、すべてどうでも良くなるくらいに、飽きてしまったのだ。

 俺は魔王ベロニカちゃんを含めた、魔王城に住むすべて者たちを論破スキルで殺した。

 もちろん自分の子供もだ。

 だが不思議と何も感じなかった。


 そして2年ぶりに、俺に魔王の討伐を頼んだ国へ戻ってきた。


「ロン太様! よくぞご無事で!」


 魔法使いと剣士は魔王に敗れた。

 名誉の死を遂げたということになった。


「それで? 報酬はちゃんともらえるんだろうな?」


「もちろんでございます!」


 魔王を討伐し、国に帰還した俺はその後、英雄として迎えられた。

 王様だけでなく、国民が皆、俺を称えたのだ。

 俺は富と名誉と地位を手に入れた。

 欲しいものならなんでも手に入った。

 俺は大きな土地と屋敷を手に入れ、そこにハーレムを気付いた。

 右手に乳、左手に乳、そして俺の顔を挟んでいるのも乳。

 股の間にが女。

 毎日、誰と寝ようかと困るほどの女を貰い、俺は誰もがほしがるであろう幸福を手に入れた。

 そしてもう、望みもなかった。

 孕ませた女の数は知れない。

 孕んだら捨てるか、王に返還すればいい。

 するとまた別の女が送られてくる。

 そうでなくとも送られてくるのだ。

 女の数に合わせ屋敷を拡張し、部屋と風呂場を大量に増設した。

 すべてはハーレムのために!

 俺はハーレムのためだけに生きた。

 毎日、毎日……女を抱いた。


 だがある時、またプツリッ!と、俺の中の線が切れた。

 それは唐突に訪れた。

 望むものすべてを手に入れた俺だったが、何故か虚無感が襲ってくるのだ。

 それは次第に感覚を狭め、いつしか常に虚無が俺を襲った。

 俺はどうしたのだろうか?


 俺は呼び出したハーレム要因を試しに殺してみた。


「――――――」


 目の前で美女が血を吐き、絶命している。

 だが何も感じない。

 女を抱いた時と同様に、何も感じないのだ。


 セックスなど生理的な現象だ。

 小便と同じで出してしまえば、賢者。

 ――何も感じない。

 その後に残るのは、無だ。

 そしてそれは殺人も同様だった。


「俺は……どうしてしまったのだ」


 俺はまたしばらく考えた。


 そして――


 それから屋敷中の女をすべて殺した。

 皆きれいだったが、俺の欲を満たしてくれないものをいくら侍らせても仕方がない。

 俺はそのまま、国も滅ぼした。

 王から執事から国民から、すべてを論破していき、すべてを手にかけた。

 そしてとある王国は滅びる。


 俺はこの虚無感を背負ったまま、国を立ち、また意味もなく旅をした。


 するとどこで聞きつけたのか?

 覇王と名乗る、魔王よりも厄介な存在がいるという、とある王国の使いと出会った。

 彼は俺に、その覇王から国を救ってほしい。つまり殺してほしいと頼んできたのだ。

 前にもあったような展開だったが、俺は直ぐに承諾し、魔導師の女2人を連れ、覇王城に向かった。

 道中退屈しなかったのは、女が2人いたからだ。


 そして覇王城――


 王座の間で、俺は覇王と対面した。

 だがそこにいたのは覇王ではなく、小さなペチャパイ幼女であった。


「なんだ? このクソガキは?」


「クソガキだと?! わらわはこう見えても24歳! 立派な大人だ!」


 24歳でこのサイズと言うのもおかしな話だ。

 だが人間でないなら頷ける。


「あらぁ? 陛下、こちらの御仁はどなたですか?」


 そこに現れたのは、かつての魔王ベロニカを彷彿とさせる豊満な胸を持った妖艶な美女。


「王国の勇者じゃ! わらわを殺しにきたらしい」


「なるほど、それはいけませんね」


 いやぁ~確かにいけないな~

 こんな美女2人を殺すなんて……

 そこで俺は魔導師の女2人に提案してみた。


「はぁ? ここで暮らすって! 正気ですか?!」


「ああ、2人はどうする? このまま国に帰るか?」


 すると魔導師の1人が俺に牙をむいた。


「ロン太様?! これは謀反ですよ? 申し訳ありませんが、流石の私も見過ごせません!」


 まあこうなるとは思っていた。

 だが仕方ない。

 もう一方の魔導師もどうやら、ここで俺を殺す気らしい。


「じゃあ悪いけど、2人共――死んでください」


「ゴハッ!――」


「何゛故゛に゛?――!


 2人は吐血し、その場に倒れた。


 俺がいきなり仲間を殺したので、覇王とその側近の巨乳ちゃんは驚いていた。


「お主! 何をやっておるのじゃ?! その者たちは仲間ではなかったのか?!」


「違うけど?」


 その返答に困る2人。


「俺はロン太だ。お前らは?」


 少しばかりの戸惑いを見せた後、流れで答える2人」


 覇王こと、24歳の幼女はプリシラ。

 ブロンドヘアーの巨乳側近はイザベラ。

 ということが分かった。


「では覇王よ?! そしてその側近イザベラよ?! 俺と子作りをしないか?」


 強制ではない。

 だがこの理不尽な能力を見せられては、断ることも出来なかったのだろう。

 もちろん断っていれば殺していた。


 そして俺とプリシラとイザベラの3人は、毎日、子作りに励んだ。

 来る日も来る日も子作り。

 不思議なことに、2人とは性格的に、相性が良かったのか?

 会話が弾んだのだ。

 だから毎日、退屈しなかった。



 そしてそれから2年が経過したある日のことだ。

 また俺の中の『線』がプツリと切れる。

 俺は前と同じ用量で2人を殺害した。

 そして覇王城に住むすべての者たちを殺し、見事、覇王を打ち取ったのだ。


 それから2年ぶりとなる、俺に覇王の討伐を依頼したとある王国に帰還する。


「おお! これはロン太様! よくぞ覇王を打ち取り! 我らをお救いくださいました!」


 前にも聞いたセリフだ。

 だから感動もなかった。


「あなたはこの国の英雄だ。あなたがいなければこの国は今頃、滅びていたでしょう」


 感動のあまり涙を流す使い。

 そして王も同じように俺を称えてくれた。

 魔導師2人は名誉の死を遂げたと報告した。


 そして俺はその後、王にも国民にも称えられ、屋敷と女を手に入れ、誰もが欲しがるであろう『ハーレム』を築いたのだ。


 女は次から次へと送られてきた。

 気に入らなければ返還し、するとまた新しい女が送られてくるのだ。

 気付けば屋敷中が俺の好みの女で溢れていた。

 前にも見た光景だ。

 そしてそれに伴い、屋敷を増築する。

 部屋と風呂場を大量に増やした。

 それに伴うように、また女が送られてきた。

 毎日毎日、子作りだ。


 俺は2度目にして、またハーレムを気付いた。

 そして変化を与えることにも、とうとう飽き、俺はこのハーレムでしばらくの間、生活した。


「旦那様、今日は私が――」


「いえ、今日は私が――」


「じゃあ2人まとめて、俺のところへおいでよぉおおおお!」


 欲にまみれ感覚が麻痺し、俺の何かが崩壊していく。

 地位も名誉も何もかも、すべて手に入れ、俺は満足していた。


 左手には金髪美女の豊満な胸。

 肌は白く、顔も整っている。

 右手には茶色いショートヘアーの美女の胸。

 これまた肌は白く、形も整っている。

 そして俺の顔は銀色の長い髪をした美女の、大きな胸に挟まれていた。

 こもまた実に良い! はち切れんばかりの巨乳だ。


 そして股の間には別の女がいる。

 彼女はエルフだろうか?

 名前は知らない。

 そして周りには次の女が控えていた。

 ドワーフの女は容姿と年齢が比例しない。

 もしやプリシラはドワーフだったのでは?

 だがもう、プリシラはこの世にいないので、確かめようがない。

 中には牛人族という種族の女もいた。


 基本的に牛人族は、体を体毛に覆われている。

 ただの2足歩行の獣だ。

 だが彼女は変異種だった。

 頭に牛の角は生えているもの、見た目はただ人間だった。

 そして何より、俺が彼女を指名した理由は、胸だ。

 もはやこの世のものとは思えないほどの大きな胸。

 すべての女を味わった俺にとって、彼女は目新しかった。


「牛人族の女、前にでろ」


「はい!」


 もちろん彼女も俺に従順だ。


「では……服を脱げ」


「はい……」


 頬を赤らめながら服を脱ぐ、牛人族。

 最初は皆こうだったのだ。

 だが日が経つにつれ、俺が慣れたように彼女たちも慣れる。

 そこにはもはや恥じらいななどない。

 だから俺はある一定の周期ごとに、女をそう入れ替えするのだ。

 気に入った女だけを残して……。


 ここに連れてこられた者たちは、皆それまで不当な扱いを受け、貧しい暮らしをしてきたものたちだ。

 中には高い地位から蹴落とされ、そういった暮らしを余儀なくされた者たちもいる。


「お前の名は何と申す?」


「エミリアです」


「そうか……ではエミリア。俺と2人で、寝室に行こう」


「はっ、はい!」


 このエミリアもまた、不遇な生まれの者だ。




 そして俺はエミリアと共に、寝室に来ていた。

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