守護霊たちの奮闘記
毎週火曜日に更新予定です
~はじめに~
人には「守護霊」という目に見えない存在が誰しも必ず憑いているという
それは時に自分の先祖だったり はたまた、自分と近しい魂の持ち主だったり
人によってついている守護霊の数も様々。
たいてい2~3人はついている。
そのついた人物を見守り、正しい方向へ進めるように愛情深く見守る存在。
この物語は人間を必死で守ろうとする守護霊たちの愛溢れる物語である。
~ story 1 ~
晴れ渡る11月の秋空。少し肌寒いが大地はため息交じりにマンションの駐輪場に置いてある自分の自転車に乗り、サドルに足をかける。ふわっと少し暖かい風に秋のにおいを感じながらゆっくりと高校がある隣町方向にむけてこぎ始めた。
「きれいな秋空できもちがいいね」
「最近はこの季節でもこんな薄着で大丈夫なのかなぁ」
「さぁ、温暖化がすすんでますからねぇ・・・」
大地が漕ぐ自転車の後ろに腰を掛けている美しい女性と大地の自転車と並行して飛んでいる着物姿の青年。
そして大地の自転車の前側の籠にすっぽり入っている小さな男の子。
3人が季節の話で盛り上がっている。
そう、この三人は吉岡大地、16歳の守護霊なのだ。
「このままじゃ遅刻しちゃう」
女守護霊の沙羅が息をふうっと大地の背中に吹きかけると、その息は優しい旋風に変わり大地の背中を自転車ごと押す追い風に変わった。
「ラッキー!追い風だあ。」
大地は嬉しそうに立ち漕ぎをやめて学校へ続く下り坂を
風が為すまま自転車を走らす。
スピードはグングン上がる
「この先の十字路にトラック来てる、
このままじゃぶつかる」
着物姿の青年の名は「」