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あの日の夏はまだ終わらない  作者: きさらぎ
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第1話 プロローグ

 朝なんて来なければいい、と何度願ったことだろう。


 目が覚めるたびに、悲しい現実を思い知らされるのなら……


 あの日、出会わなければよかったと――

 あの時、手を離さなければよかったと―― 

 何度、後悔しただろう。


 朝は毎日訪れる。

 こちらの思いなどおかまいなしに……


 だから、せめて悲しみが溢れ出さないように。

 明日も笑っていられますように。

 笑顔でいられますように。

 楽しく過ごせますように。


 夜空を見上げて星に祈る。




 そして―


 夜が明ける。  

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