1/56
第1話 プロローグ
朝なんて来なければいい、と何度願ったことだろう。
目が覚めるたびに、悲しい現実を思い知らされるのなら……
あの日、出会わなければよかったと――
あの時、手を離さなければよかったと――
何度、後悔しただろう。
朝は毎日訪れる。
こちらの思いなどおかまいなしに……
だから、せめて悲しみが溢れ出さないように。
明日も笑っていられますように。
笑顔でいられますように。
楽しく過ごせますように。
夜空を見上げて星に祈る。
そして―
夜が明ける。