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あまりにも急な出来事に戸惑っていると、女の子は笑顔で俺にこう言った。
「ダーリンのお陰で元気になったよ!ありがと!」
幼馴染の美代は、たしかにアイドル級に可愛かった。しかし、この子と比べてしまうと美代でさえも沈んでしまう。
それほどまでに、この女の子は可愛いかった。
そして、この子の言葉を信じるならば、この子は、神竜の人化形態ということになる。
図鑑にさえも、都市伝説としか記載されていなかった、竜の人化。
今おれは、それを目の当たりにしているのだ。しかも、神竜の女の子の。
胸に飛び込んできたその子は、本物の人間のように温かかった。おれは思わず抱きしめ返していた。
女の子は、嬉しそうに頬を緩めた。
それから俺たちは、たくさんの事を話した。
学園でのこと、神竜を追い求めていたこと。
大怪我をしていた理由、争いの原因、などなど。
「レージ、大変だったんだね!でも大丈夫!これからは私がついてる。これでレージは紛れもなく最強の人間だよっ!さあ、私とコネクして!」
「ああ。遠慮なく。これでお前は俺の最強のパートナーだ。」
こうして、俺はほかの同級生達よりはるかに遅れたファーストコネクを完了した。
「ねぇレージ。私に名前をつけてよ!」
「仕方ないなぁ、分かったよリナ。」
「はっや!ちょっとは悩むとか無いの!?でもいい名前だね!私は今日からリナ!」
「じゃあ名前をつけてもらったお礼に、わたしから最初のプレゼント!」
そう言ってリナが渡してきたのは、透明な固形物だった。
「ほらレージ、はやく食べて!」
「これは食べるものなのか?」
「いいからはやく!」
急かされて、わけもわからないまま俺は口にした。
その瞬間、あふれ出るような生命力が俺の体中を駆け巡った。
「なんだ。これは!」
「ふふふ、これは私のナミダだよ!」
「ナミダ?」
「すっごい貴重なんだからね!感謝するように!!」
そう言ってリナは明るく笑った。
リナの過去について、俺はもっと知りたかったのだが、大まかなことしか教えてくれなかった。コネクしたので、命令権を行使してしまえば、無理矢理にでも話させることは出来る。
だが、俺はそれはしたくなかった。
コネクしたからと言ってそんな乱暴なことはしたくないし、リナの意思を尊重したいからだ。
まあ何はともあれ、若いメス(女の子)の神竜をついにファーストコネクすることが出来た。
俺の夢が、目標が、目的が、達成されたのだ。