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冥伝  作者: もんじろう
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 すなわち、大虫の本当の顔がある位置をにらんだのだ。


「あたしを怒らせたね」


 冥の生首が口を開いた。


「………」


 大虫は無言だった。


 全身に冷や汗をかいている。


 恐怖が身体を縛り、動けなくなった。


 死んだはずの冥が喋ったこともあるが、それよりも首から異常な勢いで放出され始めた尋常ならざる殺気に絡め取られたようになっていた。


(化け物め!!)


 大虫は必死に自分を叱咤した。


 このまま動かずに居れば、どのようにかは分からないが確実に死が待っていると感じた。


 その前に行動しなければならない。


 暴風のごとき殺気の中、大虫の右手がようやく動いた。


 右手には冥の首をはねた武器が握られている。


 しかし、どこへ投げるというのか?


 すでに死んでいる冥の首に向かってか?


 首だけになっても生きている怪物の頭を、もう一度、攻撃して果たして効果があるのか?


 大虫の視線が冥の首の先に居る柚子に止まったのは、そのときだった。


(柚子…)

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