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冥伝  作者: もんじろう
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6

「お前は幻斎(げんさい)の手下か?」


 伝兵衛が頭巾の男に尋ねた。


 頭巾の男は答えない。


 伝兵衛は無視されたことにむっとしたが、この男にどういう態度に出てよいものか迷った。


 鬼道信虎より柚子と武丸の始末を命ぜられた際、幻斎なる忍びの手下を手助けに送るという話は聞いていた。


 が、具体的にどんな者がやって来るかは知らない。


 それゆえに確かめたのだが。


「おい」


 腹を決めた伝兵衛はもう一度、尋ねた。


 なるべく平静を装う。


 やっと頭巾の男が反応した。


 こちらを向く。


 物言わぬ相手に再び伝兵衛は不安になった。


「答えぬか」


 伝兵衛の言葉に頭巾の男が頷いた。


 やはり幻斎の手の者だ。


 伝兵衛は気持ちを切り替えた。


 武丸に視線を戻す。


「姉上様を守ろうとするその意気、ご立派ですぞ」


 そう言って伝兵衛は刀を抜いた。


 相変わらず膝が震えている武丸の前に立つ。


「わしが自ら、お相手しよう」


 武丸の顔が青ざめた。


 伝兵衛は知っているのだ。


 武丸に剣の才が無いことを。

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