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冥伝  作者: もんじろう
35/180

35

 二人の距離が近づいたとき、月をおおっていた分厚い雲が、一瞬流れた。


 骸の顔が月光に照らしだされる。


 骸の両眼が、かっと開いた。


 血走った眼が雲次の姿を捉える。


 雲次の両手から無数の光が走った。


 大虫が使った鋼糸(こうし)と同じ物だ。


 これは片側にだけ重りがついていて、反対の端は雲次の手に握られている。


 鋼糸が骸の身体にぐるぐると巻きついた。


 骸は四肢の自由を奪われた。


 刃物並みの切れ味を持つ鋼糸が肉に食い込んでいく。


「うがっ」


 骸が唸った。


 苦痛は感じていないのか、そのまま立ち上がろうとする。


「馬鹿め」


 雲次が呟いた。


 両手を巧みに動かし、鋼糸を操った。


 鋼糸が一気に骸の身体を斬り刻み、骸は無惨な姿に千切れ飛んだ。


 雲次が「ふぅ」と息を吐いた。


 最大の障害は取り除いた。


 大虫の言うほどの敵ではなかった。


 まともにやり合えば強敵かもしれないが、忍びである雲次には関係ない。


 ただ、勝てば良いのだ。


(残りは二人)

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