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冥伝  作者: もんじろう
22/180

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「あの化け物は何なんだ? いきなり現れやがって…。それに後から出てきた子供。俺が死んでないことに気付いていたのか? 何故、見逃した?」


「大虫の兄貴」


 ぶつぶつと呟く大虫に雲次が声をかけた。


「何だ?」


「これからどうします? 俺は兄貴と合流しろとだけ」


「どうするも何も…」


 大虫の声が沈んだ。


「柚子姫を殺し損ねちまったんだ。帰って、頭領に報告するしかねえだろう」


「………」


「雲次」


「はい」


「手下は連れてきたか?」


「いいえ」


「そうか…。まだ追いかければ間に合うかもしれねえが仕方ない。一旦、戻るぞ」


「いいんですか?」


「ああ、仕事を失敗した上に敵の後もつけなかったとなると、俺は頭領に殺されるかもな」


 大虫の声は震えていた。


 その声は大虫の異様に膨らんだ胸のこぶから聞こえてくる。


「それでも頭領に報せるのが先だ。あの化け物たちは危ない」


 大虫は身体を震わせた。


 足元に落ちた自分の首を拾い上げる。


 胸のこぶの前に持つ。

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