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冥伝  作者: もんじろう
19/180

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 伝兵衛に比べれば骸は不快ではない。


「やめなっ!」


 冥が大声を出した。


 骸の脚を蹴る。


 冥が蹴ったところで骸はびくともしないだろう。


 しかし、骸はぴたりと動きを止めた。


 恨めしそうに冥を窺う。


「何だい、その眼は? お前、自分の立場が分かってないようだね。あたしが上でお前は下」


「ううう…」


 骸が唸った。


「あの…」


 柚子の言葉で冥はやや落ち着きを取り戻した。


「何故、あんたを助けたかって? そうだね…ここじゃあ何だから、場所を変えようじゃないか。骸、行くよ!」


 冥の言葉で骸がゆっくりと柚子に手を伸ばした。


 軽々と柚子を持ち上げ、己の右肩に乗せた。


 続いて冥を左肩に乗せる。


 冥は座らず、骸の肩に器用に立っていた。


 骸がその場を去ろうとすると「待って」


 柚子が言った。


「武丸と右京と左門を」


「連れていくのかい!?」


 冥は露骨に嫌がった。


「はい。弔いをしてあげたくて」


「はっ。意味ないね。そうだろ、骸?」

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