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「あたしはいろんな時代で気に入った魂を集めているのさ。コレクターなんだよ」
「これくた?」
「ああ」
女が笑った。
「この時代の、この国には無い言葉だったね。要は魂を集めているのさ。趣味ってやつだよ」
「?」
「お前たちがどんな状況に陥ってるかも、あたしは全部知ってる。今だって、お前の姉さんが何を考えてるか…簡単に読み取れるんだよ」
女が目を細めた。
「ふふふ。相当、頭にきてるね。信虎って奴と仲間たちを皆殺しにしないと気が済まないってさ」
「姉様…」
「条件は簡単。お前の姉さんが復讐を果たすまで生き返らせてやるよ。その代わり、復讐が終わったらお前の魂は未来永劫、あたしの下僕になる」
「構いません」
武丸の心は、すでに決まっていた。
いかなる代償を払おうとも姉を守らなければ。
「その言葉には重い意味がある。お前はあたしと契約することになるからね。今なら、まだ取り消せるよ」
「構いません。早く姉様を助けて!!」
「よし」