表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥伝  作者: もんじろう
161/180

161

 次々と兵が鮮血を撒き散らす。


 信竜の猛攻にも怯まなかった歴戦の兵たちが、これには色を無くした。


 兵たちの戦意が、ぽきりと折れた。


 悲鳴をあげ、一部の兵が逃げだすともはや、骸に立ち向かう者は一人も居なくなっていた。


 我先にと陣から逃げていく。


 この有り様を見ていた信虎も兵たちと同じく血の気が引き、顔面蒼白となった。


 話には聞いていたが、骸を直に見るのはこれが初めてだ。


(これほどの化け物とは…)


 予想以上だ。


 用心のために動員していた兵たちが皆、倒されてしまった。


 骸がこちらへ進んでくる。


 すぐにたどり着くだろう。


 信虎の眼に、足元で座り込み必死に骸の名を呼ぶ柚子の姿が入った。


 策が閃いた。


 信虎の手が柚子の首根っこを掴み、無理矢理、引きずり起こした。


 刀を柚子に突きつける。


「止まれ、怪物!!」


 兵たちの阿鼻叫喚の中でも、信虎の戦場で鍛えた腹から出る声は響き渡った。


「この娘が死んでもいいのか!!」


 骸の動きが止まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ