表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥伝  作者: もんじろう
14/180

14

 両手の二つの首を投げ捨てた怪人は一旦後ろへ身体を反らし、その反動を用いて自らの額を侍の頭に打ちつけた。


「ひぎっ」


 侍の頭がひしゃげた。


 大男の勢いは止まらず、侍の身体は腰の辺りまで地面にめり込んだ。


 侍は動かなくなった。


 悪夢のような怪力で伝兵衛以外の男たちは皆、屠られた。


 ほんの僅かな間に。


 伝兵衛は柚子を離し、脱兎の如く逃げだした。


 主命も忘れ、己を守るために走りだした。


 先ほどまでの余裕たっぷりの態度は跡形も無い。


 なりふり構わぬ逃走だ。


 その伝兵衛の足を払う者が居た。


「あっ」


 小さく叫び、伝兵衛は転がった。


 何が起こったのか理解できなかった。


 伝兵衛は自分の足を払った相手を見上げた。


 伝兵衛の身体は地に伏せている。


 相手は子供だった。


 いつの間に、この場に現れたのか?


 童女は冷たい視線を伝兵衛に浴びせていた。


 歳は七、八歳というところか。


 美しかった。


 ただ、柚子の美しさとは何かが違った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ