表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥伝  作者: もんじろう
131/180

131

 冥も骸に答えを期待はしていない。


 眉間にしわを寄せ、侍たちの死体を(あらた)めている。


 それも束の間。


「ふうん」


 興味を無くしたのか、冥は立ち上がった。


 襖の前に行き、無造作に開けた。


 部屋に入ってすぐのところに、今度は四人の忍び装束の男たちが倒れている。


 その奥には四人の女が同じく倒れていた。


 八人は斬殺されていた。


 この惨状を見ても冥は眉ひとつ動かさなかった。


 じっと室内を窺っている。


「空振ったね」


 冥が言った。


「ううー」


「そうだよ、柚子は居ない」


「?」


「まったく、お前は鈍いね。誰かに先を越されたんだよ」


「!」


 骸の口が、ぽかんと開いた。


 言わば怪物と言える骸の容貌が、そうしているとまるで子供のように見えた。


「があっ!!」


「大声を出すんじゃないよ、馬鹿っ!」


 冥が骸の脚をぴしゃりと打った。


「他の奴らが集まって来たら面倒なことになるだろっ。落ち着いて柚子の居場所を探るんだよ」


「?」


「はあ…」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ