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冥伝  作者: もんじろう
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 きょろきょろと周りを見回す。


「がっ!?」


「ああ、柚子は置いてきた」


「がーーーっ!!」


 骸が身体を震わせた。


「うるさいねぇ。あのときは余裕が無かったのさ。お前は泣き叫ぶし、柚子は信竜の腕の中だし」


「うう…」


「もちろん、柚子は取り返すさ。何のために今まで付き合ったと思ってるんだい?」


「………」


 骸は大人しくなった。


 冥の言葉にやっと落ち着きを取り戻したようだ。


「ただ、今度は気をつけな」


 冥が続けた。


「お前の身体はあの刀で斬られたら使い物にならなくなる。これまでみたいな戦いかたじゃ、やられちまうよ」


「………」


「心配なのかい?」


「うー」


「大丈夫だよ。信竜は柚子を殺したりはしない。あいつのことは、お前も少しは知ってるんだろう?」


 骸が激しく頷いた。


「とはいえ、ゆっくりもしてられないか…。さあ、どうしようかねぇ」


 そう言って冥は大山城の方角へと顔を向けた。


 林の木々に遮られ、城の姿は見えない。

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