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冥伝  作者: もんじろう
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 一同から十歩も離れない位置に突如、大柄な男が立っていたからだ。


 異様な男だった。


 ぼろ布をまとっている。


 身体が大きすぎ、布がおおっているのは胸元や腰の辺りだけで手足はむき出しだ。


 男の四肢の太さは女の胴体ほどもある。


 凄まじい筋肉量であった。


 だが、この場の皆の度肝を抜いたのは男の体格ではなかった。


 男の顔のほうだ。


 生きたまま焼かれでもしたのか?


 凄まじい火傷が…否、それとも違う。


 ただれた顔には肉がない。


 骸骨に眼を入れれば、このような顔になるだろうか?


 ほとんどない唇の中に汚れた乱杭歯(らんくいば)が覗いている。


 顔には申し訳程度の包帯が巻かれていた。


 首から下の身体にも包帯が巻かれており、こちらはたまに地肌が露出している。


 地肌もやはり、ただれたようになっていた。


 男の瞳が血走り爛々と輝いていなければ、死体が立っていると思ったかもしれない。


「やや…」


 やっと伝兵衛が言葉を発した。


「な、何奴!?」

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