てのひら
悲しみと再生の詩です──
ギュっと握りしめていた両手を
パッとひらいて
手の中に残ったモノを
数えてみる
たいしたモノは
ないかもしれないけど
それでも一つくらい
涙でぐちゃぐちゃになった顔を
ほころばせる何かが
きっとあるはず
ひらいた手で
顔を覆い
体温を……
あたたかな体温を感じる
私のぬくもり……
もういないキミのぬくもり……
どちらも同じヒトのぬくもり……
勝手に溢れてくる涙が
一滴も零れないように
ポツポツポツポツ……
涙のたまったてのひらを
暫し眺めて
その涙に映った顔を見て
少しだけ微笑んで前へと歩き出す
「……ありがとう」
きっと涙は流した方がいいです。