熱い道
蒸し暑い夏。
風に揺れる木とセミの鳴き声が懐かしい。
ぎらぎらに光る道を行く君。
懐かしい夏。
じりじりに照らされる道を行く僕。
恥ずかしい夏。
あの道を行けば、いずれ君と出会うはず。
涼しげなシャツの揺れ。そわそわする木陰を踏む足音。
足元見ると、僕も影もふらふらしてる。
逸らせないなら、目線はタオルで隠せ。
首筋から願望は滑り落ちていく。
夏って、いつも恥ずかしい。
それでも、君を見ている。
再び君に会えるなら、僕はこの道を選ぶことにする。
もう、自転車に乗ることもない。
同じ速度で歩くことが夢。
だから、夏って寝不足になる。
夢がゆらゆら、手元も震える。
喉が渇いて、生温い水を流し込む。
だから夏って、恥ずかしい。
いろんな思い出に囲まれるから。