第19話 毘沙門天
皆さんご無沙汰してます。沖田総司です。また一緒に物語を見ていきましょう。
たどり着いた先は
寺の境内だった
義経が懐かしそうに寺全体を見渡している
「私も鞍馬寺で修行に励んだものだ。あの修行がなければ、私は刀と一体になることはできなかった」
ここも、鞍馬寺のように修行をするための寺なのだろうか…
ノボルが何かを見つけて立ち尽くしていた
総司は不思議そうにノボルに歩みよった
「これは何の像なんです?ノボル知ってますか?」
「…」
義経と弁慶も歩みよってきた
4人の背後から声が聞こえてきた
「そちらは毘沙門天様だ」
振り返ると白い頭巾のような布をかぶった男が立っていた
見たことがある。
ノボルはよく学校で日本史の授業で教科書を開き目にしていた人物だ。
「我は上杉謙信と申す。そちたちは、何者だ?何故にここに居るのだ?」
上杉謙信…ということはここは戦国時代か!
「私たちは探し人を求めてここに迷い込んでしまいました。しばらくの間、こちらに居てよいですか?」
総司が人なつっこい口調で謙信に話しかける
謙信は疑うこともなく4人を部屋にとおした。
「毘沙門天様は戦の神だ。私は明日、春日山城へ帰るが、そなたたちはいかがする?」
とりあえず謙信に着いていき、手かがりが現れるのを待つしかない。
「我らも謙信公にお共させていただきたい。」
義経が口を開いた。
しばらくの間を置いて謙信が口を開く
「そなたたち、刀を備えておるな。腕前を見せていただけるか? 私がお相手を致す。」
謙信が戦の神と言われるほどの力を持っていることを知っているのはノボルだけだ。
義経と弁慶は、時代が明らかに違っていて知るはずがないし
総司は、知っていてもおかしくはないが、勉学をしていなかったため知識に関してあまりなかった
「4人一度に参られよ」
義経たちは驚いて、一人ずつと申し出たが謙信は、あくまでも
「4人一度に参られよ」
と返事をする。
「仕方がありませんね。皆さん、いきますよ!」
総司のかけ声で
義経、弁慶、ノボルはいっせいに謙信に飛びかかった。
次回もお楽しみください。